測量士と測量士補試験の概要と勉強方法のポイントになる過去問、気になるそれぞれの合格率と難易度についてお伝えします。

測量士とは、すべての建設工事において必要な測量を行う仕事です。

資格または検定試験名

測量士・測量士補:(国家資格 業務独占

測量士、測量士補になるには「資格」と「免許登録」が必要です
※登録免許税(測量士補は\(\,15,000\,\)円・測量士は\(\,30,000\,\)円)

測量士・測量士補とは

測量士・測量士補は、測量機器を用いて必要な土地の位置・形・大きさ・高さ・長さなどを計測し、土木・建築工事で必要とする基礎データを作成する測量の専門家です。

測量はすべての土木建設工事の基本となるため、有資格者は建築や建設業界などで重要な存在です。

ミスが許されない測量には、正確さと緻密さが常に要求されます。

●法律上での仕事内容の区分
法律上では、測量士が指示を出す役となり測量士補が実際の測量を行うイメージですが、実際の現場ではこれは絶対的なルールではなく、場合によっては役割が変わることはあります。

【測量士】
測量作業の主任者として測量計画作成を担当
※専門学校・短大・大学での専門課程の修了に加えて、一定の実務経験があると試験無しで資格を取得することが可能。

【測量士補】
測量士の作成した計画に基づき測量を担当
※専門学校・短大・大学での専門課程を修了すると、試験無しで資格を取得することが可能。

受験資格

誰でも受験できます。

試験内容と受験対策方法

試験内容

【測量士試験】
管理技術者として必要となる、測量技術及び測量成果の管理・評価に関する知識を問われる。
公共測量の計画の作製及びその円滑な実施の観点から必要となる、関連法令および公共測量の実務に関する知識を問われる。

試験方法:筆記試験(択一式・記述式)
試験時間:\(\,5\,\)時間
■午前 択一式(\(\,2\,\)時間\(\,30\,\)分)
■午後 記述式(\(\,2\,\)時間\(\,30\,\)分)
問題数:
■択一式(\(\,28\,\)問)
■記述式(\(\,3\,\)題)
必須問題\(\,1\,\)題・選択問題\(\,4\,\)題中\(\,2\,\)題選択
配点:
■択一式(\(\,28\,\)問)
\(\,1\,\)問\(\,25\,\)点(\(\,700\,\)満点)
■記述式(3題)
必須\(\,1\,\)題\(\,300\,\)点・選択\(\,1\,\)問\(\,200\,\)点(\(\,700\,\)点)
出題科目:
1. 測量に関する法規及びこれに関連する国際条約
2. 多角測量
3. 汎地球測位システム測量
4. 水準測量
5. 地形測量
6. 写真測量
7. 地図編集
8. 応用測量
9. 地理情報システム

※上記の各科目に関連して、技術者として測量業務に従事する上で求められる一般知識(技術者倫理・測量の基準・基礎的数学・地理情報標準 など)も出題されます。

合格基準:
択一式(\(\,28\,\)問)の点数が\(\,400\,\)点(\(\,16\,\)問正答)以上で、かつ記述式(\(\,3\,\)題)との点数の合計が\(\,910\,\)点以上

【測量士補試験】
公共測量に従事する者として、その円滑な実施の観点から必要となる、測量技術、関連法令、公共測量の実務等に関する知識を問われる。
新たな測量技術に関しては、測量士試験に出題されている範囲の中で、特に基礎となる知識を問われる。

試験方法:筆記試験(択一式)
試験時間:\(\,3\,\)時間
問題数:択一式(\(\,28\,\)問)
配点:\(\,1\,\)問\(\,25\,\)点(\(\,700\,\)満点)
出題科目:
1. 測量に関する法規
2. 多角測量
3. 汎地球測位システム測量
4. 水準測量
5. 地形測量
6. 写真測量
7. 地図編集
8. 応用測量

※上記の各科目に関連して、技術者として測量業務に従事する上で求められる一般知識(技術者倫理・測量の基準・基礎的数学・地理情報標準 など)も出題されます。

合格基準:\(\,450\,\)点以上(\(\,18\,\)問正答)

対策方法

試験では過去に出題された問題が繰り返される傾向が強いので、過去問を繰り返し徹底的に解いて理解することが重要です。

国土地理院HPに、過去\(\,5\,\)カ年に実施した試験問題および解答例が掲載されていますので活用しましょう。

願書申込み受付期間

\(\,1\,\)月上旬~\(\,1\,\)月下旬 または \(\,2\,\)月上旬頃まで

※詳しい日程は国土地理院HPで確認して下さい。

試験頻度および日時や時期

年\(\,1\,\)回実施  \(\,5\,\)月

※日程は国土地理院HPで確認して下さい。

試験会場

北海道・宮城・秋田・東京・新潟・富山・愛知
大阪・島根・広島・香川・福岡・鹿児島・沖縄

※会場は国土地理院HPや受験票で確認して下さい。

受験料

【測量士】\(\,4,250\,\)円(収入印紙)

【測量士補】\(\,2,850\,\)円(収入印紙)

過去数年の平均合格率および難易度

【測量士】
●\(\,2019\,\)年度
受験者数:\(\,3,232\,\)人  合格者数:\(\,479\,\)人  合格率:\(\,14.8\,\)%

●\(\,2018\,\)年度
受験者数:\(\,3,345\,\)人  合格者数:\(\,278\,\)人  合格率:\(\,8.3\,\)%

●\(\,2017\,\)年度
受験者数:\(\,2,989\,\)人  合格者数:\(\,351\,\)人  合格率:\(\,11.7\,\)%

●\(\,2016\,\)年度
受験者数:\(\,2,924\,\)人  合格者数:\(\,304\,\)人  合格率:\(\,10.4\,\)%

●\(\,2015\,\)年度
受験者数:\(\,2,739\,\)人  合格者数:\(\,315\,\)人  合格率:\(\,11.5\,\)%

●\(\,2014\,\)年度
受験者数:\(\,2,394\,\)人  合格者数:\(\,290\,\)人  合格率:\(\,12.1\,\)%

【測量士補】
●\(\,2019\,\)年度
受験者数:\(\,13,764\,\)人  合格者数:\(\,4,924\,\)人  合格率:\(\,35.8\,\)%

●\(\,2018\,\)年度
受験者数:\(\,13,569\,\)人  合格者数:\(\,4,555\,\)人  合格率:\(\,33.6\,\)%

●\(\,2017\,\)年度
受験者数:\(\,14,042\,\)人  合格者数:\(\,6,639\,\)人  合格率:\(\,47.3\,\)%

●\(\,2016\,\)年度
受験者数:\(\,13,278\,\)人  合格者数:\(\,4,767\,\)人  合格率:\(\,35.9\,\)%

●\(\,2015\,\)年度
受験者数:\(\,11,608\,\)人  合格者数:\(\,3,251\,\)人  合格率:\(\,28.0\,\)%

●\(\,2014\,\)年度
受験者数:\(\,11,118\,\)人  合格者数:\(\,4,417\,\)人  合格率:\(\,39.7\,\)%

過去数年の平均合格率では、測量士は\(\,11.5\,\)%測量士補は\(\,36.7\,\)%です。
測量士試験の難易度は非常に高く、測量士補試験につきましても難易度は高いと言えます。

次のステップとして、試験の一部が免除になる土地家屋調査士建築士資格は業務上プラスになる資格です。

主催・試験実施団体

名称:国土交通省 国土地理院 総務部総務課 試験登録係
住所:茨城県つくば市北郷1

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