衛生工学衛生管理者とは、有毒ガスや蒸気、粉じんなどが発生する作業場において、作業環境を改善するために衛生工学技術の知識を用いて対策を行い、現場の環境改善するための点検や安全管理を行う衛生工学の専門家です。

ここでは、資格取得に必要な講習の受講資格や内容および難易度についてお伝えします。

資格または検定試験名

衛生工学衛生管理者:(国家資格

衛生工学衛生管理者の免許は、厚生労働大臣が定める講習を受けて、最終日に行う筆記試験に合格することで取得できます。

衛生工学衛生管理者とは

衛生管理免許は\(\,3\,\)種類(衛生工学衛生管理者、、第一種衛生管理者・第二種衛生管理者)あり、すべて国家資格です。

その中で最も幅広い業務を行えるのが衛生工学衛生管理者です。

有害業務を行う作業場などにおいて、作業環境を改善するために衛生工学技術の知識を用いて対策を行い、現場をよりよい状態に整えたり、労働者の健康を維持するために安全管理や健康管理を行います。

有害業務

有害業務とは、下記のような労働基準法により定められている業務です。

■鉛や水銀・クロムなどの有害物の粉じんや蒸気、ガスを発散させる業務
■多量の高熱物体を取り扱う業務、著しく暑熱な場所、異常気圧下での業務
■土石や獣毛などのちりやほこりや粉末が著しく飛散する場所における業務
■ラジウム放射線やエックス栓、その他有害放射線にさらされる業務

受講資格(5日間コース)

●大学や高等専門学校において、工学または理学に関する課程を修めて卒業した人
●大学改革支援や学位授与機構により学士(工学又は理学)の学位を授与された人(当該課程を修めた者に限る)、またはこれと同等以上の学力を有すると認められた人

一部の科目免除

一部の科目免除が適用され、\(\,4\,\)日間コース・\(\,2\,\)日間コースが設けられています。

≪\(\,4\,\)日コースに該当する人≫
第一種衛生管理者免許試験に合格している人(保健師・薬剤師の資格による免許取得者は除く)
【講習科目】労働衛生工学に関する知識、職業性疾病の管理に関する知識
●指定大学で保健衛生に関する学科を専攻して卒業し、労働衛生に関する講座か科目を履修している人
【講習科目】労働衛生工学に関する知識、職業性疾病の管理に関する知識
労働衛生コンサルタント(保険衛生・労働衛生工学)試験に合格している人
【講習科目】労働基準法、労働衛生工学に関する知識
●第一種衛生管理者免許試験と労働衛生コンサルタント試験(保健衛生)の双方に合格している人
【講習科目】労働衛生工学に関する知識

≪\(\,2\,\)日コースに該当する人≫
●作業環境測定士の資格を有する人
【講習科目】労働基準法、職業性疾病の管理に関する知識、労働生理に関する知識
労働衛生コンサルタント試験(労働衛生工学)に合格している人第一種衛生管理者試験
【講習科目】労働基準法、職業性疾病の管理に関する知識、労働生理に関する知識
●第一種衛生管理者・作業環境測定士・労働衛生コンサルタント試験(労働衛生工学)のうち、2つもしくは全て合格している人
【講習科目】職業性疾病の管理に関する知識
●労働衛生コンサルタント試験(保健衛生)・労働衛生コンサルタント試験(労働衛生工学)・作業環境測定士のうち、2つもしくは全て合格している人
【講習科目】労働基準法

※一部の科目免除の適用については、中央労働災害防止協会HPで必ず確認してください。

講習内容(5日間コース)

【\(\,1\,\)日目】
■労働安全衛生法(関係法令を含む)
【\(\,2\,\)日目】
■労働生理に関する知識
・人体の組織および機能
・疲労およびその予防
・職業適性
職業性疾病の管理に関する知識
・職業性疾病に関する基礎知識  
・職業性疾病の発生事例及びその対策
・健康管理の進め方  
・職業性疾病に関する教育の方法
【\(\,3\,\)日目】
●試験Ⅰ
労働安全衛生法
労働生理
職業性疾病
■労働基準法(関係法令を含む)
労働衛生工学に関する知識 Ⅰ
・作業環境に関する基礎知識
・作業環境改善の具体的進め方
■労働衛生工学に関する知識 Ⅱ
・局排、全体換気装置および廃液処理装置
・その他の設備に関する基礎知識
【\(\,4\,\)日目】
■労働衛生工学に関する知識 Ⅲ
・局所排気装置等に関する知識
・実習
【\(\,5\,\)日目】
■労働衛生工学に関する知識 Ⅳ
・作業環境測定の方法及びその評価
■労働衛生工学に関する知識 Ⅴ
・保護具に関する基礎知識及びその保守管理
●試験Ⅱ
労働基準法
労働衛生工学

修了試験の合格基準:\(\,60\,\)%以上の正解

対策方法

修了試験を不合格になった場合は、もう一度講習の受講からやり直さなければなりません。

講習の中では試験に出題されやすいポイントについて説明してくれてることがあるので、試験に関する情報を聞いた際はメモをとったりテキストに線を引くなどして、受講後に重点的に復習をすることが衛生工学衛生管理者の修了試験に合格するポイントになります。

また、衛生工学の修了試験の過去問は入手することができません。
問題用紙と解答用紙が同じ一枚の紙で問題用紙を持ち帰ることができないからです。

第一種衛生管理者試験と重なる科目に関しては、第一種衛生管理者試の過去問を活用し実習の課題に積極的に取り組むことも合格するための重要ポイントになります。

試験頻度および日時や時期

\(\,2\,\)ヶ月に\(\,1~2\,\)回程度

※中央労働災害防止協会HPで確認してください。

受講会場

東京:東京安全衛生教育センター
大阪:大阪安全衛生教育センター

※\(\,2\,\)日間コースは東京のみ

受講料

【\(\,5\,\)日間コース】
\(\,116,640\,\)円(2019年10月1日以前に終了する回 テキスト代・消費税8%含む)
\(\,118,800\,\)円(2019年10月1日以降に終了する回 テキスト代・消費税10%含む)

【\(\,4\,\)日間コース・\(\,2\,\)日間コース】
所有資格などによって受講料の設定金額は異なりますので、中央労働災害防止協会HPで必ず確認してください。

難易度

\(\,5\,\)日間の講習を受講すれば資格を取得できて難易度が易しいと思われがちですが、講習を受けて修了試験に合格しなければ修了証を発行してもらえません。 

衛生工学衛生管理者講習の修了試験内容は第一種衛生管理者試験と重なる科目については同レベルですが、さらに衛生工学の専門分野が加わるので、衛生工学衛生管理者は第一種衛生管理者試験よりも難易度が高いといえます。

主催・試験実施団体

名称:東京安全衛生教育センター
住所:東京都清瀬市梅園1-4-6

名称:大阪安全衛生教育センター
住所:大阪府河内長野市河合寺423-6

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