計量士の資格は、一般計量士・環境計量士(濃度関係)・環境計量士(騒音・振動関係) の3区分に分かれています。
ここでは、一般計量士の国家試験コースの試験概要と受験対策の講習、気になる合格率や難易度についてお伝えします。
資格または検定試験名
計量士:(国家資格 必置)
計量士とは
計量士とは、計量に関する専門の知識・技術を持ち、汚染・騒音・振動・有害物質などのレベルを正確に測定し、取引や証明において国民から信頼される技術者です。
産業技術の進歩に伴って、計量機器の検査や管理を行う計量士の重要性は増しています。
計量士の資格は次の3区分に分かれ、活動内容は次のようになります。
●一般計量士
工場、百貨店、スーパーなどに設置されている「長さ計」や「温度計」「体積計」「質量計」などの計量器の精度管理や測定計画の策定、実施などの計量管理行います。
環境計量士が行う以外の計量に関する業務を一般計量士が担当します。
●環境計量士(濃度関係)
工場から排出される排水・煤煙(ばいえん)・大気中の有害物質・工場跡地の土壌内の有害物質・悪臭物質などを測定および計量管理に関する業務を行います。
⇒ 環境計量士(濃度関係)国家試験コースの概要と受験対策の講習および合格率や難易度
●環境計量士(騒音・振動関係)
プレス機・鍛造機・送風機などの騒音源を有する工場・建設現場・道路(自動車)・鉄道・航空機の騒音と振動の測定および計量管理を行い、人体への影響を調査します。
⇒ 環境計量士(騒音・振動関係)国家試験コースの概要および合格率や難易度
計量士になるには(国家試験コース)
計量士国家試験に合格し、かつ実務経験その他の条件を満たし登録を受ける
【一般計量士】
計量士国家試験(\(\,4\,\)科目)+ 計量に関する実務に\(\,1\,\)年以上従事していること
【環境計量士(濃度関係)】
次のいずれかを満足させていること
計量士国家試験(\(\,4\,\)科目)+ 濃度に係る計量の実務に\(\,1\,\)年以上従事していること
計量士国家試験(\(\,4\,\)科目)+ 環境計量教習(濃度関係)を修了していること
計量士国家試験(\(\,4\,\)科目)+ 薬剤師の免許をうけていること
計量士国家試験(\(\,4\,\)科目)+ 技術士の登録を受けていること
【環境計量士(騒音・振動関係)】
次のいずれかを満足させていること
計量士国家試験(\(\,4\,\)科目)+ 音圧レベルおよび振動加速度レベルに係る計量の実務に\(\,1\,\)年以上従事していること
計量士国家試験(\(\,4\,\)科目)+ 環境計量講習(騒音・振動関係)を修了していること
計量士国家試験(\(\,4\,\)科目)+ 技術士の登録を受けていること
一般計量士の受験資格
誰でも受験できます。
一般計量士の試験内容と受験対策方法
試験内容
試験時間(1科目):\(\,70\,\)分
出題数(1科目):\(\,25\,\)問
出題形式:\(\,5\,\)肢択\(\,1\,\)方式
試験科目:
【共通科目 各25問】
\(\,1.\,\) 計量関係法規
・出題範囲(計量法の体系全般にわたる知識)
\(\,2.\,\) 計量管理概論
・出題範囲(計量計画、計量システム設計、計量機器管理、計量作業管理、工程管理、品質管理、サンプリング方法、データ管理、その他計量管理一般に関する知識)
※ただし、計量管理に関する法令の知識は含まない
【専門科目 各25問】
\(\,3.\,\) 計量に関する基礎知識
・出題範囲(数学、物理)
\(\,4.\,\) 計量管理概論および質量の計量
出題範囲(イ 計量器一般に関する知識・ロ 質量の計量単位・ハ 質量の計量に係る基礎原理、取り扱い、保守管理、その他質量の計量に一般に関する知識)
合格基準:次の\(\,2\,\)つの基準を満たすこと
■共通\(\,2\,\)科目の合計が\(\,30\,\)問以上の正答(\(\,50\,\)問中)
■専門\(\,2\,\)科目の合計が\(\,28~30\,\)問以上の正答(\(\,50\,\)問中)
※ただし専門\(\,2\,\)科目については、年度によって合格基準に変動があります。
《試験科目の免除》
他の区分 「環境計量士(濃度関係)」・「環境計量士(騒音・振動関係)」に合格している人が一般計量士の試験を受験する場合、共通科目の\(\,2\,\)科目が免除されます。
\(\,1.\,\) 計量関係法規
\(\,2.\,\) 計量管理概論
対策方法
計量に関する高度な知識と物理や数学といった基礎知識も重要となる専門科目や、計量関係法規・計量管理概論などの共通科目を効率よく学習し、合格率を高めることを目的とした「計量士国家試験直前対策講習会」や「計量士国家試験準備講習会」が、一般社団法人 日本計量振興協会で大阪と東京で開催されます。
基礎的知識と試験範囲を網羅したテキストを使い、過去に出題された問題に詳しい解説を施した過去問題集(過去\(\,5\,\)回分)も使用し、勉強のポイントを十分に把握することができます。
※詳しい日程や会場、費用などは日本計量振興協会HPで確認してください。
講習会に使用する日本計量振興協会発行のテキストや過去問題集も購入できるので、講習会に参加できない場合はこちらを活用し勉強して合格を目指しましょう。
一般計量士の試験頻度および日時や時期
年\(\,1\,\)回 \(\,12\,\)月(予定)
※詳しい日時や試験案内(願書含)の配布・受付期間については、経済通産省HPまたは官報で確認してください。
一般計量士の試験会場
北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・四国・九州・沖縄
※確定された試験会場は、受験票で確認してください。
一般計量士の受験料
\(\,8,500\,\)円(収入印紙)
一般計量士の過去数年の合格率および難易度
●第69回
受験者数:\(\,689\,\)人 合格者数:\(\,161\,\)人 合格率:\(\,23.4\,\)%
●第68回
受験者数:\(\,990\,\)人 合格者数:\(\,205\,\)人 合格率:\(\,20.7\,\)%
●第67回
受験者数:\(\,992\,\)人 合格者数:\(\,243\,\)人 合格率:\(\,24.5\,\)%
●第66回
受験者数:\(\,1,043\,\)人 合格者数:\(\,163\,\)人 合格率:\(\,15.6\,\)%
●第65回
受験者数:\(\,1,101\,\)人 合格者数:\(\,191\,\)人 合格率:\(\,17.3\,\)%
過去数年の平均合格率は約\(\,20\,\)%、難易度は高いと言えます。
共通問題については、覚えて攻略できる問題なため比較的簡単とされていますが、専門問題は計量に関する高度な知識と物理や数学といった基礎知識も重要となります。
主催・試験実施団体
【国家試験について】
名称:日本通運株式会社 計量士国家試験係
電話:0120-040-608
【計量士制度について】
名称:経済産業省 産業技術環境局基準認証政策課計量行政室
電話:03-3501-1688
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