防火対象物点検資格者の受講資格と講習日程や内容、修了考査(修了試験)の合格率についてお伝えします。
防火対象物点検資格者とは、消防法や火災予防などの専門的な知識を身につけ、劇場や飲食店など建物の実態や防火管理について総合的に点検できる国家資格です。

資格または検定試験名

防火対象物点検資格者:(国家資格

防火対象物点検資格者の資格は、登録機関にて講習を受け修了考査(修了試験)に合格することで取得することができます。

※資格の有効期限
防火対象物点検資格者の有効期限は、免状交付以後における最初の\(\,4\,\)月\(\,1\,\)日から\(\,5\,\)年間です。
\(\,5\,\)年ごとに再講習を受講(\(\,5\,\)時間)することが義務づけられています。

受講資格

\(\,1.\,\) 消防設備士として、消防用設備等の工事・整備または点検について\(\,3\,\)年以上の実務経験を有する人
\(\,2.\,\) 消防設備点検資格者(第1第2)として、消防用設備等の点検について\(\,3\,\)年以上の実務経験を有する人
\(\,3.\,\) 防火管理者として選任された人で、\(\,3\,\)年以上の実務経験を有する人
\(\,4.\,\) 甲種防火管理者講習または同項第2号イに規定する乙種防火管理者講習の課程を修了した人で、防火管理上必要な業務について\(\,5\,\)年以上の実務経験を有する人
\(\,5.\,\) 建築基準適合判定資格者検定に合格した人で、建築主事または確認検査員として\(\,2\,\)年以上の実務経験を有する人
\(\,6.\,\) 特殊建築物調査員として、特殊建築物の調査について\(\,5\,\)年以上の実務経験を有する人
\(\,7.\,\) 建築設備検査員として、建築設備の検査について\(\,5\,\)年以上の実務経験を有する人
\(\,8.\,\) 建築士(1級・2級)として、建築物の設計もしくは工事監理または建築工事の指導監督について\(\,5\,\)年以上の実務経験を有する人
\(\,9.\,\) 建築設備士として\(\,5\,\)年以上の実務経験を有する人
\(\,10.\,\) 市町村の消防職員として、火災予防に関する業務について\(\,1\,\)年以上の実務経験を有する人
\(\,11.\,\) 市町村の消防職員として、\(\,5\,\)年以上の実務経験を有する人
\(\,12.\,\) 市町村の消防団員として、\(\,8\,\)年以上の実務経験を有する人
\(\,13.\,\) 特定行政庁の職員として、建築行政に関する業務(防火に関するものに限る)について\(\,5\,\)年以上の実務経験を有する人

※受講資格は資格や職務経験等で細かく規定されていますので、日本消防設備安全センターHPで必ず確認してください。

講習内容

講習は\(\,4\,\)日間に分けて行われます。
おおむね次のように進められます。

■1日目
【講習科目と講習時間】
・09:30~09:40  講習についての説明
・09:40~11:40  防火管理の意義および制度
・12:30~14:30  火気管理
・14:40~16:40  施設および設備の維持管理

■2日目
【講習科目と講習時間】
・09:30~11:30  防火管理に係る訓練および教育
・12:20~14:20  防火管理に係る消防計画
・14:30~16:30  消防用設備等技術基準

■3日目
【講習科目と講習時間】
・09:30~10:30  消防用設備等技術基準
・10:40~11:40  防火対象物の点検要領
・12:30~16:30  防火対象物の点検要領

■4日目
【講習科目と講習時間】
・09:30~09:40  修了考査(修了試験)の説明

●14:40~16:40  修了考査(修了試験)
修了考査(修了試験)会場にテキスト持込みが認められています。
試験問題(\(\,36\,\)問)は次の\(\,3\,\)分類になります。
\(\,1.\,\) 防火管理の意義と設備の維持管理関係(防火管理の意義及び制度、火気管理、施設及び設備の維持管理)
問題数:\(\,12\,\)問
\(\,2.\,\) 消防設備・防火管理基準および教育訓練関係(消防用設備等技術基準、防火管理に係る消防計画、防火管理に係る訓練および教育)
問題数:\(\,14\,\)問
\(\,3.\,\) 点検要領関係(防火対象物の点検要領)
問題数:\(\,10\,\)問

合格基準:各分類ごとに\(\,50\,\)%以上で、かつ全体の問題数の\(\,70\,\)%以上正解

※修了考査(修了試験)で不合格となった場合には、修了考査(修了試験)を受けた日から
\(\,1\,\)年以内に、\(\,1\,\)回に限り修了考査(修了試験)を受け直すことができます。

再考査手数料は、\(\,3,450\,\)円(税込み)です。

講習頻度および日時や時期

全国主要都市 \(\,4\,\)日間実施

※都道府県により日時は異なりますので、日本消防設備安全センターHPで確認してください。
または、下記の協会に問い合わせてください。

(公財)札幌市防災協会 TEL:011-861-1211
(公財)仙台市防災安全協会 TEL:022-271-1211
(公財)さいたま市防火安全協会 TEL:048-640-3011
(公財)千葉市防災普及公社 TEL:043-248-7788
(公財)東京防災救急協会 講習事業部講習第二課 TEL:03-3556-3702
(公財)横浜市防火防災協会 TEL:045-714-9909
(公財)川崎市消防防災指導公社 TEL:044-366-8721
(公財)相模原市防災協会 TEL:042-753-9971
(一財)日本消防設備安全センター 業務部名古屋事務室 TEL:052-218-5075
(一財)京都市防災協会 TEL:075-662-1849
(一財)大阪消防振興協会 事業課講習係 TEL:06-6459-1486
(一財)神戸すまいまちづくり公社 住環境再生部 防災講習センター TEL:078-647-9999
(一財)広島市都市整備公社 防災部 TEL:082-843-0918
(一財)福岡県消防設備安全協会 TEL:092-722-1265
(一財)日本消防設備安全センター TEL:03-3501-7912

講習会場

全国主要都市

※会場は、日本消防設備安全センターHPで確認してください。

受講料

\(\,38,784\,\)円

■受講科目の一部免除の時間数によって\(\,36,684\,\)円・\(\,31,384\,\)円となります。
※受講科目の一部免除は、細分化されていますので必ず日本消防設備安全センターHPで確認してください。
ただし、修了考査(修了試験)は免除されません。

過去数年の平均合格率および難易度

【2018年度】
受講者数:\(\,1,055\,\)人  合格者数:\(\,918\,\)人  合格率:\(\,87.0\,\)%

【2017年度】
受講者数:\(\,1,097\,\)人  合格者数:\(\,967\,\)人  合格率:\(\,88.1\,\)%

【2016年度】
受講者数:\(\,983\,\)人  合格者数:\(\,879\,\)人  合格率:\(\,89.4\,\)%

【2015年度】
受講者数:\(\,1,053\,\)人  合格者数:\(\,973\,\)人  合格率:\(\,92.4\,\)%

【2014年度】
受講者数:\(\,1,136\,\)人  合格者数:\(\,1,004\,\)人  合格率:\(\,88.4\,\)%

【2013年度】
受講者数:\(\,1,167\,\)人  合格者数:\(\,974\,\)人  合格率:\(\,83.5\,\)%

過去数年の修了考査(修了試験)の平均合格率は約\(\,88\,\)%です。
難易度は易しい(低い)と言えます。

主催・試験実施団体

名称:一般財団法人 日本消防設備安全センター 業務部
住所:東京都港区虎ノ門2-9-16 日本消防会館内

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