消防設備士試験は乙種が1～7類、甲種は特類と1～5類にわかれて実施されます。
ここでは、乙種と甲種・甲種特類で異なる対象消防設備と受験資格や日程や試験内容の概要、過去問、合格率についてお伝えします。
資格または検定試験名（正式名称と通称）
消防設備士（国家資格）
\(\large{\color{magenta}{\fbox{乙種 1類～7類}}}\)
\(\large{\color{red}{\fbox{甲種 1類～5類}}}\)
\(\large{\color{orange}{\fbox{甲種特類}}}\)
消防設備士とは
消防設備士は、いざ火災が発生してしまったという時に、屋内消火栓やスプリンクラー、自動火災報知設備などの消防法に規定されている消防用設備等の工事、整備、点検を行える資格です。
資格は「乙種」と「甲種」に分類されています。
\(\color{black}{\fbox{乙種消防設備士}}\)
乙種消防設備士は、消防用設備等の工事をできず「整備」と「点検」のみ可能です。
\(\color{black}{\fbox{甲種消防設備士}}\)
消防設備士の資格分類で上位の甲種消防設備士は、消防用設備などの「工事」「整備」「点検」すべての業務に従事できます。
種類別 工事・整備・点検が可能な消防用設備
\(\color{magenta}{\fbox{乙種}}\) \(\color{red}{\fbox{甲種}}\)
【\(\,1\,\)類】屋内消火栓設備・スプリンクラー設備・水噴霧消火設備・屋外消火栓設備・パッケージ型消火設備・パッケージ型自動消火設備・共同住宅用スプリンクラー設備
【\(\,2\,\)類】泡消火設備・パッケージ型消火設備・パッケージ型自動消火設備
【\(\,3\,\)類】不活性ガス消火設備・ハロゲン化物消火設備・粉末消火設備・パッケージ型消火設備・パッケージ型自動消火設備
【\(\,4\,\)類】自動火災報知設備・ガス漏れ火災警報設備・消防機関へ通報する火災報知設備・共同住宅用自動火災報知設備・住戸用自動火災報知設備・特定小規模施設用自動火災報知設備・複合型居住施設用自動火災報知設備
【\(\,5\,\)類】金属製避難はしご・救助袋・緩降機
\(\color{magenta}{\fbox{乙種}}\)
【\(\,6\,\)類】消火器
【\(\,7\,\)類】漏電火災警報器
\(\color{orange}{\fbox{甲種特類}}\)
特殊消防用設備等（従来の消防用設備等に代わり、総務大臣が当該消防用設備等と同等以上の性能があると認定した設備等）
受験資格
\(\color{magenta}{\fbox{乙種}}\)
誰でも受験できます。
\(\color{red}{\fbox{甲種}}\)
●大学、短期大学、高等専門学校（\(\,5\,\)年制）、高等学校または中等教育学校で、機械、電気、工業化学、土木、建築に関する学科または課程を修めて卒業した人
●乙種消防設備士取得後\(\,2\,\)年以上の実務経験を持つ人
●技術士第\(\,2\,\)次試験に合格した人
●電気工事士免状の交付を受けている人
●消防用設備等の工事の補助者として5年以上の実務経験を持つ人 他
※甲種の受験資格は多岐に渡るので、消防試験研究センターHPで事前に必ず確認してください。
\(\color{orange}{\fbox{甲種特類}}\)
甲種第1類から第3類までのいずれか一つ、甲種第\(\,4\,\)類および甲種第\(\,5\,\)類の\(\,3\,\)種類以上の免状の交付を受けている人
試験内容と受験対策方法
試験内容
\(\color{magenta}{\fbox{乙種}}\)
【筆記試験】
試験形式：四肢択一 マークシート方式
試験範囲：
■消防関係法令
■基礎的知識
■構造・機能・整備
【実技試験】
試験形式：写真・イラスト・図面等による記述式
試験時間：\(\,1\,\)時間\(\,45\,\)分
※試験科目の一部が免除される場合は、免除される問題の数に応じて短縮されます。
合格基準：各科目毎に40％以上で全体の出題数の\(\,60\,\)％以上かつ、実技試験において\(\,60\,\)％以上の成績を修めた人
※試験の一部免除がある場合は、免除を受けた以外の問題で上記の成績を修めた人
\(\color{red}{\fbox{甲種}}\)
【筆記試験】
試験形式：四肢択一 マークシート方式
試験範囲：
■消防関係法令
■基礎的知識
■消防用設備等の構造・機能・工事・整備
【実技試験】
試験形式：写真・イラスト・図面等による記述式
試験時間：\(\,3\,\)時間\(\,15\,\)分
※試験科目の一部が免除される場合は、免除される問題の数に応じて短縮されます。
合格基準：各科目毎に\(\,40\,\)％以上で全体の出題数の\(\,60\,\)％以上かつ、実技試験において\(\,60\,\)％以上の成績を修めた人
※試験の一部免除がある場合は、免除を受けた以外の問題で上記の成績を修めた人
\(\color{orange}{\fbox{甲種特類}}\)
【筆記試験】
試験形式：四肢択一 マークシート方式
試験範囲：
■工事設備対象設備等の構造・機能・工事・設備
■火災および防火
■消防関係法令
試験時間：\(\,2\,\)時間\(\,45\,\)分
※試験科目の一部が免除される場合は、免除される問題の数に応じて短縮されます。
合格基準：各科目毎に\(\,40\,\)％以上で全体の出題数の\(\,60\,\)％以上の成績を修めた人
※試験の一部免除がある場合は、免除を受けた以外の問題で上記の成績を修めた人
対策方法
テキスト・参考書での独学
市販テキストや参考書をの熟読して予想問題集を解いていくのが最適な勉強方法です。
消防設備士試験には、過去問は市販されていません。
消防試験研究センターHPに例題として過去に出題された問題の一部が公開されているので活用しましょう。
試験頻度および日時や時期
\(\color{magenta}{\fbox{乙種}}\) \(\color{red}{\fbox{甲種}}\) \(\color{orange}{\fbox{甲種特類}}\)
都道府県および受験区分（乙種・甲種の各類）によって異なります。
※消防試験研究センターHPで確認してください。
試験会場
\(\color{magenta}{\fbox{乙種}}\) \(\color{red}{\fbox{甲種}}\) \(\color{orange}{\fbox{甲種特類}}\)
全国各地
※消防試験研究センターHPで確認してください。
受験料
\(\color{magenta}{\fbox{乙種}}\) \(\,3,800\,\)円（非課税）
\(\color{red}{\fbox{甲種}}\) \(\,5,700\,\)円（非課税）
乙種・甲種 月別平均合格率
\(\color{magenta}{\fbox{乙種}}\)
【\(\,2018\,\)年 \(\,10\,\)月】
受験者数：\(\,999\,\)人
合格者数：\(\,389\,\)人
合格率：\(\,38.9\,\)％
\(\displaystyle 合格率=\frac{合格者数}{受験者数}=\frac{389}{999}\times 100≒38.93(％)\)
【\(\,2018\,\)年 \(\,9\,\)月】
受験者数：\(\,3,529\,\)人
合格者数：\(\,1,380\,\)人
合格率：\(\,39.1\,\)％
\(\displaystyle 合格率=\frac{合格者数}{受験者数}=\frac{1,380}{3,529}\times 100≒39.10(％)\)
【\(\,2018\,\)年 \(\,8\,\)月】
受験者数：6\(\,,653\,\)人
合格者数：\(\,2,331\,\)人
合格率：\(\,35.0\,\)％
\(\displaystyle 合格率=\frac{合格者数}{受験者数}=\frac{2,331}{6,653}\times 100≒35.03(％)\)
\(\color{red}{\fbox{甲種}}\)
【\(\,2018\,\)年 \(\,10\,\)月】
受験者数：\(\,843\,\)人
合格者数：\(\,279\,\)人
合格率：\(\,33.1\,\)％
\(\displaystyle 合格率=\frac{合格者数}{受験者数}=\frac{279}{843}\times 100≒33.09(％)\)
【\(\,2018\,\)年 \(\,9\,\)月】
受験者数：\(\,3,678\,\)人
合格者数：1\(\,,032\,\)人
合格率：\(\,28.1\,\)％
\(\displaystyle 合格率=\frac{合格者数}{受験者数}=\frac{1,032}{3,678}\times 100≒28.05(％)\)
【\(\,2018\,\)年 \(\,8\,\)月】
受験者数：\(\,5,995\,\)人
合格者数：\(\,1,649\,\)人
合格率：\(\,27.5\,\)％
\(\displaystyle 合格率=\frac{合格者数}{受験者数}=\frac{1,649}{5,995}\times 100≒27.50(％)\)
主催・試験実施団体
名称：一般財団法人 消防試験研究センター
住所：東京都千代田区霞が関1丁目4-2 大同生命霞が関ビル19F
⇒ 消防設備士試験乙種1,2,3,4,5,6,7類の受験資格と概要および合格率
⇒ 消防設備士試験甲種特類,1,2,3,4,5類の受験資格と概要および合格率
消防設備士試験の乙種と甲種のそれぞれの類（種類）の受験資格や合格率はこちらで詳しく紹介しています。
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