小型船舶操縦士免許は操縦できる水面の範囲や船の種類によって分かれています。
自動車免許と同じように操縦できる種類も免許によって違うので認識が必要です。

学科・実技の試験以前に身体検査がありますので受験資格と試験内容と合格率や難易度をお伝えしておきます。

資格または検定試験名(正式名称と通称)

小型船舶操縦士:(通称)小型船舶免許(国家試験

 \(\large{\color{green}{\fbox{特殊}}}\)

●特殊小型船舶操縦士(水上オートバイ)
水上オートバイ専用免許でボートは操縦できません。
逆に一級・二級の免許を持っていても、特殊免許を持っていなければ水上オートバイは操縦できません。
●操縦できる水面
湖岸や海岸から2海里(\(約\,3.7\,\mathrm{km}\))までの海域です。
●操縦できるボート
水上オートバイ

 \(\large{\color{magenta}{\fbox{二級(湖川小出力限定)}}}\)

●二級小型船舶操縦士(湖川)「第一号限定」
湖や川だけに限定された免許です。(水上オートバイは操縦できません。)
釣りなど楽しむ方に適しています。
●操縦できる水面
湖や川などの内水面と指定された一部の海域に限定されます。
●操縦できるボートの大きさ
総トン数\(\,5\,t\,\)未満で、かつエンジンの出力が\(\,15\,\mathrm{kw}\)(約\(\,20\,\)馬力)未満のボート。

 \(\large{\color{orange}{\fbox{二級}}}\)

●二級小型船舶操縦士
沿岸のレジャー楽しむ方に適しています。(水上オートバイは操縦できません。)
●操縦できる水面
湖や川、湾などの陸岸にほぼ囲まれた水域や、海岸から5海里(\(約\,9\,\mathrm{km}\))までの海域です。
●操縦できるボートの大きさ
総トン数\(\,20\,t\,\)未満のボート、または、用途がスポーツやレクリエーションに限定された 長さ\(\,24\,\mathrm{m}\)未満のボート。
※年齢が18歳未満では、操縦できるボートの大きさが\(\color{red}{\,5\,t\,未満}\)に限定。
(第二号限定)18歳に達すると次回免許証更新時には限定のない免許証が発行されます。

 \(\large{\color{red}{\fbox{一級}}}\)

●一級小型船舶操縦士
ボート免許でのトップクラスです。(水上オートバイは操縦できません。)
ヨットなどで世界一周も可能です。
●操縦できる水面
無制限です。
●操縦できるボートの大きさ
総トン数\(\,20\,t\,\)未満のボート、または、用途がスポーツやレクリエーションに限定された長さ\(\,24\,\mathrm{m}\)未満のボートです。

受験資格

年齢と定められた身体検査基準(各級共通)をクリアしていることとなります。
身体検査に合格していないと、学科や実技の受験は出来ません。

 \(\color{green}{\fbox{特殊}}\) \(\color{magenta}{\fbox{二級(湖川小出力限定)}}\) \(\color{orange}{\fbox{二級}}\)

・受験資格:15歳9か月から
・免許取得資格:16歳以上

 \(\color{red}{\fbox{一級}}\)

・受験資格:17歳9か月から
・免許取得資格:18歳以上

≪身体検査合格基準≫
■視力
\(両眼とも\,0.5\,以上\)(矯正可)。
一眼の視力が\(\,0.5\,\)未満の場合は、他眼の視力が\(\,0.5\,\)以上であり、
かつ\(\color{red}{視野が左右\,150\,度以上}\)であること。
■色覚
夜間において船舶の灯火の色を識別できること。
(灯火の色が識別できない場合は、日出から日没までの間において航路標識の彩色を識別できれば、航行する時間帯が限定された免許が取得できる。)
■聴力
\(\color{red}{\,5\,\mathrm{m}以上の距離で}\)話声語(普通の大きさの声音)の弁別ができること。(補聴器可)
■疾病および身体機能の障害
軽症で小型船舶操縦者の業務に支障をきたさないと認められること。

試験内容と受験対策方法

身体検査・学科試験・実技試験を行います。
※ 身体検査に合格しないと、学科試験及び実技試験を受験することは出来ません。

試験内容

■身体検査(各級共通)
・視力
・色覚
・聴力
・疾病および身体機能の障害

■学科試験
試験問題は「小型船舶の航行の安全に関する教則」の範囲から出題されます。

 \(\color{green}{\fbox{特殊}}\) 

出題形式四肢択一式
問題数:\(\,40\,問\)
試験科目
・小型船舶操縦者の心得および遵守事項(一般)\(\,12\,問\)
・交通の方法(特殊)\(\,10\,問\)
・運航(特殊)\(\,18\,問\)
合格基準:科目ごとに半分以上の正解、かつ各科目合計問題数の\(\,65\,\)%以上の正解
 \(\color{red}{\,26\,問以上の正解が必要}\)

 \(\color{magenta}{\fbox{二級(湖川小出力限定)}}\) 

出題形式正誤式
問題数:\(\,30\,問\)
試験科目
・小型船舶操縦者の心得および遵守事項(湖川)\(\,10\,問\)
・交通の方法(湖川)\(\,8\,問\)
・運航(湖川)\(\,12\,問\)
合格基準:科目ごとに半分以上の正解、かつ各科目合計問題数の\(\,65\,\)%以上の正解
 \(\color{red}{\,20\,問以上の正解が必要}\)

 \(\color{orange}{\fbox{二級}}\)

出題形式四肢択一式
問題数:\(\,50\,問\)
試験科目
・小型船舶操縦者の心得および遵守事項(一般)\(\,12\,問\)
・交通の方法(一般)\(\,14\,問\)
・運航(一般)\(\,24\,問\)
合格基準:科目ごとに半分以上の正解、かつ各科目合計問題数の\(\,65\,\)%以上の正解
 \(\color{red}{\,33\,問以上の正解が必要}\)

 \(\large{\color{red}{\fbox{一級}}}\)

出題形式四肢択一式
問題数:\(\,64\,問\)
試験科目
小型船舶操縦者の心得および遵守事項(一般)\(12\)
・交通の方法(一般)\(\,14\,問\)
・運航(一般)\(\,24\,問\)
・上級運航Ⅰ \(\,8\,問\)
三角定規、ディバイダ、製図用コンパスを用意のこと。(試験会場での貸し出しはありません。)
・上級運航Ⅱ \(\,6\,問\)
合格基準:科目ごとに半分以上の正解、かつ各科目合計問題数の\(\,65\,\)%以上の正解
 \(\color{red}{一般科目は\,33\,問以上}\)
かつ
 \(\color{red}{上級科目は\,10\,問以上の正解が必要}\)(どちらも満たすこと)

■実技試験
船を使用し操船技術等の試験を行います。

 \(\color{green}{\fbox{特殊}}\) 

実技試験には同意書が必要となります。
試験時間:\(約\,20\,分\)
試験船の基準:\(定員\,3\,名\)の直座型水上オートバイ

 \(\color{magenta}{\fbox{二級(湖川小出力限定)}}\) 

試験時間:\(約\,30\,分\)
試験船の基準
総トン数\(\,5\,t\)未満、長さ\(\,3\,\mathrm{m}\,\)以上\(\,9\,\mathrm{m}\,\)未満で、推進機関の出力が\(\,15\,\mathrm{kw}\)未満の船外機船

 \(\color{orange}{\fbox{二級}}\) \(\color{red}{\fbox{一級}}\)

試験時間:\(約\,75\,分\)
試験船の基準:総トン数\(\,5\,t\)未満、長さ\(\,4\,\mathrm{m}\)以上\(\,9\,\mathrm{m}\)未満の滑走型船

対策方法

テキスト・参考書での独学、免許スクール、登録小型船舶教習所

次のいずれかを選んで勉強し合格を目指しましょう。

■免許スクールコース
マリーナ運営やボート販売等を行う企業、または免許スクール事業を専門に行う企業の講習を受講

■登録小型船舶教習所コース
国土交通省に登録されている海洋・水産系の大学や高校(約50校)または民間の小型船舶教習所(約50団体)に入校

■個人で勉強する(独学)
学科試験は独学でも可能ですが、実技試験は難しい面があります。
学科の勉強は参考書と問題集を使用しましょう。
実技だけは免許スクールで受講する方法を選ぶ方が良いでしょう。

≪「学科・実技」科目内容の習得にかかる時間≫
★免許スクール

 \(\color{green}{\fbox{特殊}}\) \(\color{magenta}{\fbox{二級(湖川小出力限定)}}\) 

学科教習:半日
実技教習:半日

 \(\color{orange}{\fbox{二級}}\)

学科教習:半日から2日間
実技教習:半日から2日間

 \(\large{\color{red}{\fbox{一級}}}\)

学科教習:1日から2日間
実技教習:半日から2日間

★登録小型船舶教習所

 \(\color{green}{\fbox{特殊}}\) 

学科:6時間以上
実技:1.5時間以上

 \(\color{magenta}{\fbox{二級(湖川小出力限定)}}\) 

学科:5時間以上
実技:5時間以上

 \(\color{orange}{\fbox{二級}}\)

学科:12時間以上
実技:12時間以上

 \(\large{\color{red}{\fbox{一級}}}\)

学科:24時間以上
実技:12時間以上

試験頻度および日時や時期

随時開催
一般財団法人 日本海洋レジャー安全・振興協会の公式サイトで確認してください。

試験会場

全国の約180か所で実施されます。
一般財団法人 日本海洋レジャー安全・振興協会の公式サイトで確認してください。

受験料

申請時に「身体検査証明書」を提出した場合の身体検査手数料は、1,600円です。

 \(\color{green}{\fbox{特殊}}\) 

身体検査 \(\hspace{5pt}3,450\,円\)
学科試験 \(\hspace{5pt}2,900\,円\)
実技試験 \(16,400\,円\)
 \(\color{red}{合計\hspace{17pt}22,750\,円}\)

 \(\color{magenta}{\fbox{二級(湖川小出力限定)}}\) 

身体検査 \(\hspace{5pt}3,450\,円\)
学科試験 \(\hspace{5pt}2,800\,円\)
実技試験 \(15,000\,円\)
 \(\color{red}{合計\hspace{17pt}21,250\,円}\)

 \(\color{orange}{\fbox{二級}}\)

身体検査 \(\hspace{5pt}3,450\,円\)
学科試験 \(\hspace{5pt}3,550\,円\)
実技試験 \(18,900\,円\)
 \(\color{red}{合計\hspace{17pt}25,900\,円}\)

 \(\large{\color{red}{\fbox{一級}}}\)

身体検査 \(\hspace{5pt}3,450\,円\)
学科試験 \(\hspace{5pt}6,600\,円\)
実技試験 \(18,900\,円\)
 \(\color{red}{合計\hspace{17pt}28,950\,円}\)

過去数年の平均合格率および難易度

 \(\color{green}{\fbox{特殊}}\) 

学科:\(\,90\,%\)前後
実技:\(\,98\,%\)前後

 \(\color{magenta}{\fbox{二級(湖川小出力限定)}}\) 

学科:\(\,100\,%\)弱
実技:\(\,100\,\)%弱

 \(\color{orange}{\fbox{二級}}\)

学科:\(\,90\,%\)前後
実技:\(\,98\,%\)前後

 \(\large{\color{red}{\fbox{一級}}}\)

学科:\(\,80\,%\)前後
実技:\(\,98\,%\)前後

合格率から見ても分かる通り難易度は高くはありません。
ただし、操船、操舵技術は練習が必要なので自動車と同じで一発試験というのは難易度が上がります。

主催・試験実施団体

名称:一般財団法人 日本海洋レジャー安全・振興協会
住所:神奈川県横浜市中区本町4丁目43番地 A-PLACE馬車道9階

 ⇒ 車両・航空・船舶・電気・通信に関する資格一覧 陸,空,海と電気,通信の安全

車両・航空・船舶・電気・通信に関する資格一覧になります。
現代の日常生活において欠かせない自動車や飛行機や船、また電気や通信の設備などの他の資格もチェックしてみましょう。