司書および司書補になるためには大学や高等専門学校などの決まった講座履修や卒業が必要な場合があります。
ただし資格を取る方法はいくつかありますので資格の取り方や難易度および日程などをお伝えします。

司書の資格は取った後の採用試験が大切になりますので確認しておくといいでしょう。

司書(司書補)とは

司書とは、都道府県や市町村の公共図書館や小中高の学校の図書室、大学の図書館で図書館資料の選択、発注、受け入れ、分類、目録作成、貸出業務、読書案内などを行う専門的職員です。
司書補は司書の職務を補助する職員です。

資格または検定試験名(正式名称と通称)

司書(司書補):(国家資格

 \(\large{\color{red}{\fbox{司書}}}\)  \(\large{\color{magenta}{\fbox{司書補}}}\)

受講資格

 \(\color{red}{\fbox{司書}}\)

●大学、短期大学、高等専門学校、専修学校の専門課程を卒業(修了)した者
●大学在学中の場合は\(\,\color{red}{2\,年以上在学}\)し、\(\,\color{red}{62\,単位以上}\)を修得した者
●下記の職にあった期間が通算して2年以上になる者
・司書補の職
・国立国会図書館、大学もしくは高等専門学校図書館で司書補に相当する職
・社会教育主事の職
・学芸員の職
・その他司書補の職と同等以上として文部科学大臣が指定する職

 \(\color{magenta}{\fbox{司書補}}\)

●高等学校を卒業した者
●高等専門学校3年を修了した者
●高等学校卒業程度認定試験合格した者(大学入学試験検定合格者を含む)
●その他文部科学大臣の定める、大学に入学することのできる者

司書(司書補)になるための資格の取得方法

下記の方法のうちどれかに該当すれば資格を取得したことになります。

 \(\color{red}{\fbox{司書}}\)

●大学(短大を含む)または高等専門学校卒業生が司書講習を修了する。
●大学(短大を含む)で司書資格取得に必要な科目を履修し卒業する。
(通信制・夜間・科目等履修を含む)
●3年以上司書補としての勤務経験者が司書講習を修了する。

司書講習で資格をとる場合
全国9大学程度で実施される集中講習を受け、図書館に関する専門科目について学習します。

大学で司書の資格をとる場合
■大学在学中に履修する
司書資格取得に必要な科目を履修し、卒業と同時に資格を得る。
資格証明書も学長が発行し得られる場合が多い。

■一度大学は卒業した後、通信制・夜間・科目履修などして履修する
資格証明書は発行されないので、大学が発行する卒業証明書および図書館に関する科目の単位修得証明書を提出することで資格を持っていることを証明する。

 \(\color{magenta}{\fbox{司書補}}\)

●司書の資格を有する者。
●高等学校もしくは中等教育学校を卒業したものが司書補の講習を修了する。
●高等専門学校第3学年を修了した者が司書補の講習を修了する。

司書講習で資格をとる場合
全国5大学程度で実施される集中講習を受け、図書館に関する専門科目について学習します。

講座の時期

 \(\color{red}{\fbox{司書}}\)

司書講習で資格をとる場合
 \(\,7\,月~\,9\,月\)
※実施大学によって異なります。

 \(\color{magenta}{\fbox{司書補}}\)

司書講習で資格をとる場合
 \(\,7\,月~\,9\,月\)

※実施大学によって異なります。

受講会場

 \(\color{red}{\fbox{司書}}\)

全国9大学程度
・富士大学(岩手)
・聖徳大学(千葉)
・明治大学(東京)
・鶴見大学(神奈川)
・愛知学院大学(愛知)
・桃山学院大学(大阪)
・別府大学(大分)など

 \(\color{magenta}{\fbox{司書補}}\)

全国5大学程度
・富士大学(岩手)
・聖徳大学(千葉)
・鶴見大学(神奈川)
・愛知学院大学(愛知)
・別府大学(大分)など

※講習を実施する大学は官報(公共図書館で閲覧できます)・文部科学省のホームページで確認してください。

受講料

 \(\color{magenta}{\fbox{司書補}}\)

 \(120,000\,円~150,000\,円\)(教科書別)
※講習を実施する大学によって異なります。

 \(\color{red}{\fbox{司書}}\)

 \(80,000\,円~100,000\,円\)(教科書別)
※講習を実施する大学によって異なります。

司書の資格は取った後の採用試験

■高等専門学校の附属図書館に勤務したい場合
図書館に専門的職員として勤務を希望する場合は、それぞれの地方公共団体が実施する採用試験を受験します。
一般の行政、事務職員として採用され図書館に配属される場合と、初めから司書(司書補)として採用される場合があるので、希望する自治体の採用制度を確認が必要です。

■国立国会図書館に勤務したい場合
国立国会図書館は独自の職員採用試験を実施します。
国立国会図書館総務部人事課に確認してください。

■国立大学及び高等専門学校の附属図書館に勤務したい場合
7つの地区【北海道、東北、関東甲信越、(東海・北陸)、近畿、(中国・四国)、九州】実施委員会により実施されます。
第1次試験は上記の地区単位で筆記試験、第2次試験は各大学等により面接考査等が予定されています。

■私立の大学等の附属図書館に勤務したい場合
各学校が独自に採用試験が実施されるので、学校へ問い合わせてください。

■学校図書館に勤務したい場合
小・中・高・盲・聾・養護の各学校に設置される学校図書館は、指導教諭または教諭をもって充てることとされているので、文部科学省初等中等教育局児童生徒課へ問い合わせてください。
また学校図書館を担当する事務職員を募集している場合もあるので、要件等は各自治体や地域によってさまざまです。

過去数年の平均合格率および難易度

司書(司書補)は国家資格ですが国家試験がありません
文部科学省令が定めた内容を司書講習や大学で学び、それぞれの単位を取るための課題(レポート)や試験を修了すれば、「司書の資格」を取得できます。

しかし、簡単に取得できる資格ではありません。
大学で司書の資格を取得する場合、1年から履修すべき図書館関係科目が設定されていて、必修授業と並行して受講する必要があるので、朝から夕方までびっしりと授業を受けなくてはいけません。
日々の努力が必要です。

また司書の資格が取得できても、図書館で働くためには難関の採用試験に合格しなくてはなりません。
図書館司書は募集人数が少ないこともあり、採用試験の難易度は高いです。

主催・試験実施団体

名称:文部科学省
住所:東京都千代田区霞が関3丁目2番2号

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