介護食士とは、要介護者が生きていくためになくてはならない介護食の提供ができる専門知識を学んだ人に与えられる資格です。
要介護者の病気やけがの状態に応じた介護食や病態食などの調理技術や栄養学の知識を身に付けて、栄養食生活をサポートする大切な役割を担っています。

ホームヘルパーや栄養士、調理師、介護福祉士など、介護関係の仕事に携わる方はもちろんですが、3級の講習会では介護食の基礎知識を取得できるので、介護食に興味がある一般の方も家庭で活用できる資格です。

気になる資格取得に必要な受講資格や費用などの講座の概要をお伝えします。

資格または検定試験名(正式名称と通称)

介護食士:(民間資格

介護食士は民間資格ではありますが、内閣総理大臣認定の公益社団法人全国調理職業訓練協会が認定している資格で、公益事業として認定されています。

 \(\large{\color{green}{\fbox{3級}}}\) \(\large{\color{magenta}{\fbox{2級}}}\) \(\large{\color{red}{\fbox{1級}}}\)

学科・実技ともに充実した内容をしっかりと学習し修了試験を経て資格を取得します。

受験資格

 \(\color{green}{\fbox{3級}}\) 
 受講資格は不要で誰でも受講できます。

 \(\color{magenta}{\fbox{2級}}\) 
 協会指定の認定施設において「介護食士3級」の資格を取得している者とします。

 \(\color{red}{\fbox{1級}}\) 
 協会指定の認定施設において「介護食士2級」の資格を取得後、介護食調理の実務に2年以上従事している25歳以上の者とします。

試験(講習)内容と受験対策方法

試験(講習)内容

講習会修了後に筆記および実技の修了認定試験を行います。
ただし修了認定試験を受けることができるのは、講習会の出席率が\(\color{red}{\,80\,%以上}\)であることが条件となります。

筆記および実技の修了認定試験の合格基準点は\(\color{red}{全ての級において\,60\,点}\)となります。

 \(\color{green}{\fbox{3級}}\) 
3級認定規定教科(学科・実習)\(計\,72\,時間\)
※\(\,1\,時間=\,50\,分を目安\)

■座学(\(\,25\,時間\))
1.介護食士概論(\(\,2\,時間\))
・栄養摂取法
・介護食士の仕事の範囲
・科学・技術・技能
・介助と介護
・介護食士が求められている社会的背景
・介護食士の大切な心構え

2.医学的基礎知識(\(\,4\,時間\))
・摂食活動に関わる器官とその機能
・高齢者の身体機能の低下
・生活習慣病

3.高齢者の心理 (\(\,3\,時間\))
・高齢者の心理の理解
・高齢者の食への支援
・食事介助

4.栄養学(\(\,6\,時間\))
(1)栄養学基礎
・栄養学概論
・栄養生理学 Ⅰ 5大栄養素・非栄養成分
・ライフステージと食事摂取基準
(2)高齢者栄養学
・高齢者の特徴と栄養
・高血圧
・低栄養
・脱水

5.食品学(\(\,4\,時間\))
(1)食品学基礎
・食品学概論
・主食となる食材
・主菜となる食材
・副菜となる食材
(2))高齢者食品学
・主食、主菜及び副菜となる食材以外のその他の食材
・嚥下補助食品の紹介

6.食品衛生学(\(\,6\,時間\))
(1)食品衛生学基礎
・食品衛生
・食中毒概論
・食中毒と対策
・自然毒食中毒
・食品異物
・寄生虫
・食品添加物
(2)高齢者食品衛生学
・食品の変化(変質・腐敗・変敗、食材の衛生管理)

■調理理論・調理実習/基礎(\(\,47\,時間\))
1.調理理論、調理実習の基礎(\(\,4\,時間\))
調理理論
・調理とおいしさ
・調理の目的としては
調理実習
・調理実習の心得
・実習の基礎
・基本的実習

2.調理理論・調理実習(\(\,43\,時間\))
高齢者の普通食の基本料理法(日本・西洋・中国/行事食/季節別/デザート)
・生活習慣病予防食(Ⅰ)(低ナトリウム食)
・便秘予防食
・軟食(食べやすい・飲み込みやすい食事)

※オリエンテーション及び修了評価試験(学科・実技)の時間は含まれていません。

 \(\color{magenta}{\fbox{2級}}\) 
2級認定規定教科(学科・実習)\(計\,72\,時間\)
\(\,1\,時間=\,50\,分を目安\)

■座学(\(\,16\,時間\))
1.医学的基礎知識(\(\,2\,時間\))
・加齢に伴う疾患の基礎理解(Ⅱ)
・ほっぺた、舌、喉頭蓋、歯の働き
・口腔ケア

2.高齢者の心理 (\(\,2\,時間\))
・高齢者と家族生活及び家族との接し方
・高齢者に対する心理的支援(Ⅱ)

3.栄養学(\(\,6\,時間\))
・食品成分表の使い方
・栄養計算の仕方
・栄養生理(Ⅱ)

4.食品学(\(\,4\,時間\))
・食品の成分、特殊成分(嗜好成分=味、香り、食感、色の成分)
・香辛料(ハーブ、スパイス)
・調味料(塩、砂糖、醤油、味噌、牛乳、マヨネーズ、酢、みりん)
・塩分・酢の体への影響
・味をキャッチする舌の仕組み
・食材の季節感(旬)
・食品の見分け方
・鮮度と料理法

5.食品衛生学(\(\,2\,時間\))
・冷凍食品の衛生的な取扱い方
・常備菜と保存食の注意事項
・食品の腐敗・変敗・変質(Ⅱ)

■調理理論・調理実習(\(\,56\,時間\))
1.調理理論・調理実習
・高齢者の普通食から介護食への段階別食事形態(テクスチャの展開、調理法の展開など)
・生活習慣病予防食(Ⅱ)
・特殊用途食品の活用とその限界

※オリエンテーション及び修了評価試験(学科・実技)の時間は含まれていません。

 \(\color{red}{\fbox{1級}}\) 
1級認定規定教科(学科・実習)\(計\,72\,時間\)
\(\,1\,時間=\,50\,分を目安\)

■座学(\(\,32\,時間\))
1.医学的基礎知識(\(\,1\,時間\))
・薬と食品の関係(一緒に食べてはいけないもの) 1

2.関係法規(\(\,1\,時間\))
法とは何か
・老人保健法
・健康増進法
・製造物責任法
・地域保健法
・消費者保護基本法
・労働安全衛生法

3.栄養学(\(\,6\,時間\))
・献立の作成と栄養計算
・低栄養の注意(Ⅱ)(栄養不足と病気)

4.臨床栄養学(\(\,19\,時間\))
・機能低下者のための介護食
(消化器系機能低下・腎機能低下・肝機能低下・胆機能低下・血糖検査値高め・排泄機能低下・動脈硬化・脳血管疾患・褥瘡・脱水・視覚障害・片麻痺・認知症・高血圧・糖尿病・脂質異常症・骨粗しょう症とその合併症)

5.食品学(\(\,3\,時間\))
・特殊用途食品(低たんぱく質ほか)
・臨床栄養学に活用できる食品(減塩醤油、生活習慣病食品、高齢者食品、離乳食)

6.食品衛生学(\(\,2\,時間\))
・高齢者はもったいない意識が強いことに対する対策
・高齢者は味覚、嗅覚で劣化しているため、腐敗しても食べてしまうことに対する防止
・高齢者は色々な薬を飲んでいる 食品と薬との関係

■調理理論・調理実習(\(\,40\,時間\))
1.調理理論、調理実習
・機能低下者のための献立作成と調理実習及びその相互評価(機能低下の例を与え、食材を限定し献立を作成)

2.機能低下者のための献立作成と調理実習及びその評価試験(機能低下の例を与え、食材を限定し、献立を作成する)

注:オリエンテーション及び修了評価試験(学科)の時間は含まれていません。

対策方法

専門講座

 \(\color{green}{\fbox{3級}}\) \(\color{magenta}{\fbox{2級}}\) \(\color{red}{\fbox{1級}}\) 
全国調理職業訓練協会指定の認定校で開催される講座を受講。

講習会が行われる開講施設は全国調理職業訓練協会HPで必ず確認して下さい。

試験頻度および日時や時期

全国調理職業訓練協会指定の認定校ごとに異なります。

全国調理職業訓練協会HPの介護食士講習会開講施設で必ず確認して下さい。

試験会場

全国各地で行われる講座終了後、筆記および実技の修了認定試験を行います。
講習会場が試験会場となります。

受験(受講)料

 \(\color{green}{\fbox{3級}}\) \(\color{magenta}{\fbox{2級}}\) \(\color{red}{\fbox{1級}}\) 
 各\(\,70,000\,円 ~ \,90,000\,円\)
(講座の開講施設によって多少異なります。)

受講時間からすると良心的な受講料と言えます。
 \(1,000\, ~ \,1,250\,円/時間\)

過去数年の平均合格率および難易度

 \(\color{green}{\fbox{3級}}\) \(\color{magenta}{\fbox{2級}}\) \(\color{red}{\fbox{1級}}\) 
全国調理職業訓練協会から合格率\(\displaystyle \left(\frac{合格者数}{受験者数}\right)\)は公表されていません。

主催・試験実施団体

名称:公益社団法人 全国調理職業訓練協会
住所:東京都千代田区神田須田町1-24 神田AKビル