フリークライミングインストラクター(FCI)資格試験には3種類(インドアクライミングインストラクター・スポーツクライミングインストラクター・フリークライミングインストラクター)あり、それぞれの種類よって受験資格や試験科目に違いがあります。
ここでは資格取得に必要な講習などの概要をまとめておきます。
それぞれ指導できる職能範囲が違いますので確認しておくと良いでしょう。

資格または検定試験名(正式名称と通称)

フリークライミングインストラクター資格:(通称)FCI資格(民間資格)

職能範囲

 \(\large{\color{magenta}{\fbox{インドアクライミングインストラクター}}}\)  

国内において人工壁におけるボルダリングからスポーツルートまでをインストラクター、コーチ、講師としての指導行為を有償で行うことができる。

※出典:日本山岳ガイド協会HPより

 ⇒ インドアクライミングインストラクター資格検定試験の受験資格や試験概要
 
 \(\large{\color{orange}{\fbox{スポーツクライミングインストラクター}}}\)  

国内において人工壁を含む、一般のガイドブック等(山と渓谷社、日本\(\,100\,\)岩場参照)でゲレンデと称され整備された岩場でボルダリングからシングルピッチのスポーツルート(注)までをインストラクター、コーチ、講師としての指導行為を有償で行うことができる。
(注)ほぼすべてのプロテクションがボルトで構成されているが、\(\,1~2\,\)個のカムディバイスを安全管理のために補助的に使うルートに関してはスポーツルートとしてみなす。

なお、トラッドルートはトップロープのみの指導に限る。
但し、旧シングルピッチ資格からスポーツクライミング・インストラクター資格へ呼称変更により自動移行した者は、旧シングルピッチ資格での職能範囲を認める。(トラッドのリード指導可)

※出典:日本山岳ガイド協会HPより

⇒ スポーツクライミングインストラクター資格検定試験の受験資格や試験概要

 \(\large{\color{red}{\fbox{フリークライミングインストラクター}}}\)

国内において人工壁を含む、一般ガイドブック等(山と渓谷社、日本\(\,100\,\)岩場参照)でゲレンデと称され整備された岩場でボルダリングからシングルピッチおよびマルチピッチ(注)までをインストラクター、コーチ、講師として指導行為を有償で行うことができる。
(注)伊豆・海金剛、九州・屋久島などを除く。

※出典:日本山岳ガイド協会HPより

 ⇒ フリークライミングインストラクター資格検定の実技試験と筆記試験概要

インストラクター資格認定

 \(\color{magenta}{\fbox{インドアクライミングインストラクター}}\)  

 \(\color{orange}{\fbox{スポーツクライミングインストラクター}}\)  

 \(\color{red}{\fbox{フリークライミングインストラクター}}\)

全科目に合格し、且つ、受験者義務講習を修了した者へは、ガイド資格認定通知書を発行する。
認定通知書受給者は、本会正会員団体に入会し、正会員団体より入会手続を行う。
手続きが完了したものには正会員団体を通して、本会よりガイド資格認定証(本会正会員証)およびガイドバッチを付与する。
本会に入会しなければインストラクター業務を行うことは出来ない。

※出典:日本山岳ガイド協会HPより

資格更新について

 \(\color{magenta}{\fbox{インドアクライミングインストラクター}}\)  

資格更新は\(\,3\,\)年毎に\(\,4\,\)単位以上の資格更新研修を修了することで更新される。
自己の有効期限内に満\(\,65\,\)歳に達したとき、その間\(\,1\,\)回以上の資格更新研修会を履修し次の資格有効期間を確定している者は、その後\(\,3\,\)年毎に\(\,2\,\)日間の机上研修を修了することで更新される。
実技研修免除の年齢を越えて資格を取得した者は、\(\,1\,\)回以上の更新研修会を修了した後に年齢による実技研修免除が適応される。

また、この資格の有効期限内にスポーツクライミング資格もしくはフリークライミング資格を取得した場合、そこから新しい資格としての有効期限が発生する。
すでに更新研修を修了させ、インドアクライミング資格を更新していたとしてもその更新は新しく取得した資格には反映されない。

※出典:日本山岳ガイド協会HPより

 \(\color{orange}{\fbox{スポーツクライミングインストラクター}}\)

資格更新は\(\,3\,\)年毎に\(\,4\,\)単位以上の資格更新研修を修了することで更新される。
自己の有効期限内に満\(\,65\,\)歳に達したとき、その間\(\,1\,\)回以上の資格更新研修会を履修し次の資格有効期間を確定している者は、その後\(\,3\,\)年毎に\(\,2\,\)日間の机上研修を修了することで更新される。
実技研修免除の年齢を越えて資格を取得した者は、\(\,1\,\)回以上の更新研修会を修了した後に年齢による実技研修免除が適応される。

また、この資格の有効期限内にフリークライミング資格を取得した場合、そこから新しい資格としての有効期限が発生する。
すでに更新研修を修了させ、スポーツクライミング資格を更新していたとしてもその更新はフリークライミング資格には反映されない。

※出典:日本山岳ガイド協会HPより

\(\color{red}{\fbox{フリークライミングインストラクター}}\)

資格更新は\(\,3\,\)年毎に\(\,4\,\)単位以上の資格更新研修を修了することで更新される。
自己の有効期限内に満\(\,65\,\)歳に達したとき、その間\(\,1\,\)回以上の資格更新研修会を履修し次の資格有効期間を確定している者は、その後3年毎に\(\,2\,\)日間の机上研修を修了することで更新される。
実技研修免除の年齢を越えて資格を取得した者は、\(\,1\,\)回以上の更新研修会を修了した後に年齢による実技研修免除が適応される。

※出典:日本山岳ガイド協会HPより

受験資格

 \(\color{magenta}{\fbox{インドアクライミングインストラクター}}\)

■満\(\,20\,\)歳以上で健康で体力があり、日本山岳ガイド協会の定めるクライミング経験や技術水準を満たし、クライミング経験年数\(\,3\,\)年以上の人。
■技術水準:
【人工壁での経験】
・\(\,5.11\,\)c以上のレッドポイント\(\,30\,\)本以上、および\(\,5.11\,\)a以上のオンサイト\(\,20\,\)本以上

 \(\color{orange}{\fbox{スポーツクライミングインストラクター}}\)

■満\(\,20\,\)歳以上で健康で体力があり、日本山岳ガイド協会の定めるクライミング経験や技術水準を満たし、クライミング経験年数\(\,3\,\)年以上の人。
■技術水準:
【人工壁での経験】
・\(\,5.11\,\)c以上のレッドポイント\(\,30\,\)本以上、および\(\,5.11\,\)a以上のオンサイト\(\,20\,\)本以上。
【岩場での経験】
・スポーツルートで\(\,5.11\,\)c以上のレッドポイント\(\,30\,\)本以上、および\(\,5.11\,\)a以上のオンサイト\(\,20\,\)本以上。
・トラッドルートで\(\,5.10\,\)aの完登\(\,5\,\)本以上。

 \(\color{red}{\fbox{フリークライミングインストラクター}}\)

■満\(\,20\,\)歳以上で健康で体力があり、本会の定めるクライミング経験・技術水準を満たしクライミング経験年数\(\,5\,\)年以上の人。
■技術水準:
【人工壁での経験】
・\(\,5.12\,\)a以上のレッドポイント\(\,30\,\)本以上、および\(\,5.11\,\)c以上のオンサイト\(\,20\,\)本以上。
【岩場で下記の経験】
・スポーツルートで\(\,5.12\,\)a以上のレッドポイント\(\,30\,\)本以上、および\(\,5.11\,\)c以上のオンサイト\(\,20\,\)本以上。
・トラッドルート\(\,5.10\,\)c以上の完登\(\,10\,\)本以上の経験。
・\(\,5\,\)ピッチ以上のスポーツマルチルート\(\,5\,\)本以上(全体の\(\,5\,\)割以上はリードしていること。\(\,5.9\,\)以上を3ピッチ以上含むこと。ソロは除く)
・\(\,5\,\)ピッチ以上のトラッドマルチルート\(\,5\,\)本以上(全体の\(\,5\,\)割以上はリードしていること。\(\,5.9\,\)以上を3ピッチ以上含むこと。ソロは除く)

試験内容と受験対策方法

試験内容

 \(\large{\color{magenta}{\fbox{インドアクライミングインストラクター}}}\)

 \(\color{green}{\fbox{一次試験}}\)

書類審査+実技適性試験+筆記試験

●実技適性試験(人工壁\(\,2\,\)日間)
●筆記試験と小論文(テスト\(\,2\,\)科目、小論文)
試験科目:
【筆記試験】
・基礎的知識と業務関連
・専門知識と安全管理
【小論文】
インストラクターの役割や責務・インストラクターの資質について問われます。

 \(\color{green}{\fbox{二次試験}}\)

●レスキュー技術義務講習(\(\,2\,\)日間)
●人工壁講習・検定(\(\,2\,\)日間)

 \(\color{blue}{\fbox{危急時対応技術講習会}}\)

インストラクターの安全管理にとって重要な科目なので、受講義務となっています。
受講していない場合には認定通知書が発行されません。

※他の資格を所持していて、すでに危急時対応技術講習会やファーストエイド講習会を受講している人は免除されます。

 \(\large{\color{orange}{\fbox{スポーツクライミングインストラクター}}}\)

 \(\color{green}{\fbox{一次試験}}\)

書類審査+実技適性試験+筆記試験

●実技適性試験(人工壁\(\,2\,\)日間)
●筆記試験と小論文(テスト\(\,2\,\)科目、小論文)
試験科目:
【筆記試験】
・基礎的知識と業務関連
・専門知識と安全管理
【小論文】
インストラクターの役割や責務・インストラクターの資質について問われます。

 \(\color{green}{\fbox{二次試験}}\)

●レスキュー技術義務講習(\(\,2\,\)日間)
●人工壁 講習・検定(\(\,2\,\)日間)
●クライミング技術と安全管理 講習・検定(\(\,3\,\)日間)
●セルフレスキュー技術 講習・検定(\(\,3\,\)日間)

 \(\color{blue}{\fbox{危急時対応技術講習会}}\)

インストラクターの安全管理にとって重要な科目なので、受講義務となっています。
受講していない場合には認定通知書が発行されません。

※他の資格を所持していて、すでに危急時対応技術講習会やファーストエイド講習会を受講している人は免除されます。

 \(\large{\color{red}{\fbox{フリークライミングインストラクター}}}\)

 \(\color{green}{\fbox{一次試験}}\)

書類審査+実技適性試験+筆記試験

●実技適性試験(人工壁\(\,2\,\)日間)
●筆記試験と論文(テスト\(\,2\,\)科目、論文)
試験科目:
【筆記試験】
・基礎的知識と業務関連
・専門知識と安全管理
【論文】
インストラクターの役割や責務・インストラクターの資質について問われます。

 \(\color{green}{\fbox{二次試験}}\)

●レスキュー技術義務講習(\(\,2\,\)日間)
●人工壁 講習・検定(\(\,2\,\)日間)
●クライミング技術と安全管理 講習・検定(\(\,3\,\)日間)
●セルフレスキュー技術(\(\,3\,\)日間)
●マルチピッチクライミングとワークレスキュー技術 講習・検定(\(\,3\,\)日間)

 \(\color{blue}{\fbox{危急時対応技術講習会}}\)

インストラクターの安全管理にとって重要な科目なので、受講義務となっています。
受講していない場合には認定通知書が発行されません。

※他の資格を所持していて、すでに危急時対応技術講習会やファーストエイド講習会を受講している人は免除されます。

対策方法

実技適性試験、筆記試験、
講習・検定試験の参考図書

日本山岳ガイド協会より、さまざまな書籍が実技適性試験、筆記試験、講習・検定試験の参考図書として推奨されています。
協会HPより購入することができます。

 \(\color{magenta}{\fbox{インドアクライミングインストラクター}}\)

・フリークライミング・インストラクター指導教本(日本山岳ガイド協会)
・山のファーストエイド教本(日本山岳ガイド協会)
・自然・登山ガイドの専門的知識教本(日本山岳ガイド協会)
・大人の山岳部(東京新聞出版部)
・登山技術全書「フリークライミング」(山と渓谷社)

 \(\color{orange}{\fbox{スポーツクライミングインストラクター}}\)   \(\color{red}{\fbox{フリークライミングインストラクター}}\)

・フリークライミング・インストラクター指導教本(日本山岳ガイド協会)
・山のファーストエイド教本(日本山岳ガイド協会)
・山岳救助マニュアル・認定ガイド編(日本山岳ガイド協会)
・自然・登山ガイドの専門的知識教本(日本山岳ガイド協会)
・大人の山岳部(東京新聞出版部)
・登山技術全書「フリークライミング」(山と渓谷社)

試験頻度および日時や時期

 \(\color{green}{\fbox{一次試験}}\)

日本山岳ガイド協会HPで確認してください。

 \(\color{green}{\fbox{二次試験}}\)

日本山岳ガイド協会HPで確認してください。

試験会場

 \(\color{green}{\fbox{一次試験}}\)

東京・静岡・大阪

※会場は受験票、または日本山岳ガイド協会HPで確認してください。

 \(\color{green}{\fbox{二次試験}}\)

神奈川・伊豆・小山川

※会場は受験票、または日本山岳ガイド協会HPで確認してください。
 

受験料

 \(\color{magenta}{\fbox{インドアクライミングインストラクター}}\)  

 \(\color{green}{\fbox{一次試験}}\)

【書類審査料】\(\,5,000\,\)円
【実技適性試験料】\(\,40,000\,\)円(\(\,2\,\)日)
【筆記試験】\(\,15,000\,\)円(\(\,1\,\)日)

 \(\color{green}{\fbox{二次試験}}\)

【レスキュー技術義務講習】\(\,40,000\,\)円
【人工壁講習・検定】\(\,40,000\,\)円

 \(\color{orange}{\fbox{スポーツクライミングインストラクター}}\)

 \(\color{green}{\fbox{一次試験}}\)

【書類審査料】\(\,5,000\,\)円
【実技適性試験料】\(\,40,000\,\)円(\(\,2\,\)日)
【筆記試験】\(\,15,000\,\)円(\(\,1\,\)日)

 \(\color{green}{\fbox{二次試験}}\)

【人工壁講習・検定】\(\,40,000\,\)円(\(\,2\,\)日間)
【クライミング技術と安全管理講習・検定】\(\,50,000\,\)円(\(\,3\,\)日間)
【セルフレスキュー技術講習・検定】\(\,50,000\,\)円(\(\,3\,\)日間)

 \(\color{red}{\fbox{フリークライミングインストラクター}}\)

 \(\color{green}{\fbox{一次試験}}\)

【書類審査料】\(\,5,000\,\)円
【実技適性試験料】\(\,40,000\,\)円(\(\,2\,\)日)
【筆記試験】\(\,15,000\,\)円(\(\,1\,\)日)

 \(\color{green}{\fbox{二次試験}}\)

【人工壁講習・検定】\(\,40,000\,\)円(\(\,2\,\)日間)
【クライミング技術と安全管理講習・検定】\(\,50,000\,\)円(\(\,3\,\)日間)
【セルフレスキュー技術講習・検定】\(\,50,000\,\)円(\(\,3\,\)日間)
【マルチピッチクライミングとワークレスキュー技術】\(\,50,000\,\)円(\(\,3\,\)日間)

 \(\color{blue}{\fbox{危急時対応技術講習会}}\)

\(\,25,000\,\)円

主催・試験実施団体

名称:公益社団法人 日本山岳ガイド協会
住所:東京都新宿区四谷三栄町6番9号 丸藤ビル2階