電気主任技術者は、電気設備の工事や維持、運用などの保安の監督者としての資格です。
取り扱うことができる電圧によって、第一種から第三種まで3種類あります。
ここでは、第三種電気主任技術者の(電験三種)の受験資格や申込期間、試験日などの試験概要と合格率や難易度をお伝えします。

資格または検定試験名(正式名称と通称)

第三種電気主任技術者:(通称)電験三種(国家資格 必置

電気設備を設けている事業主は工事や維持、運用などの保安の監督者として、電気主任技術者を選任しなければならないことが法令で義務づけられています。

第一種から第三種まである電気主任技術者の資格は、取り扱うことができる電圧が異なり、第一種電気主任技術者第二種電気主任技術者は、第三種電気主任技術者の上位資格になります。

 \(\large{\color{red}{\fbox{第三種}}}\) 

電圧が5万ボルト未満の事業用電気工作物(一般事業所 など)
※出力5千キロワット以上の発電所を除く

 \(\large{\color{black}{\fbox{第二種}}}\) 

電圧が17万ボルト未満の事業用電気工作物(大規模な需要設備がある事業所 など)

 \(\large{\color{black}{\fbox{第一種}}}\) 

すべての事業用電気工作物(電力会社 など)

受験資格

誰でも受験できます。

試験内容と受験対策方法

試験科目は次の\(\,4\,\)つです。
■理論・電力・機械・法規
それぞれの科目ごとに採点され、科目ごとに合否が決まります。
全科目合格することで第三種電気主任技術者となります。

 \(\color{magenta}{\fbox{科目別合格制度}}\)

第三種電気主任技術者試験の大きな特徴が「科目別合格制度」です。
\(\,4\,\)科目の全てを一度に合格しなくても、どれか合格した科目があれば\(\,2\,\)年間その科目については「合格」となり試験は免除されます。
要は、\(\,3\,\)回の試験(\(\,3\,\)年間)で\(\,4\,\)科目の全てに合格すればよいということになります。

試験内容

出題形式:マークシート形式(五肢択一方式)
科目の内容:
●理論(\(\,90\,\)分) 電気理論、電子理論、電気計測および電子計測
●電力(\(\,90\,\)分) 発電所および変電所の設計および運転、送電線路および配電線路(屋内配線を含む。)の設計および運用並びに電気材料
●機械(\(\,90\,\)分) 電気機器、パワーエレクトロニクス、電動機応用、照明、電熱、電気化学、電気加工、自動制御、メカトロニクス並びに電力システムに関する情報伝送および処理
●法規(\(\,60\,\)分) 電気法規(保安に関するものに限る。)および電気施設
当日の持ち物:
・筆記用具(HBの鉛筆又はシャープペンシル、プラスチック消しゴム、\(\,30\,\)cm以下の透明な定規は持ち込み可)
・電卓(四則演算・開平計算を行うための√機能電卓は必須
※数式が記憶できる電卓・関数電卓・印字機能を有する電卓は使用不可
・時計(携帯電話は使用不可)

対策方法

テキスト・参考書での独学
専門講座・通信講座

難易度の高い資格なので、専門講座や通信講座の受講を考えている人は少なくないでしょう。
しかし、\(\,1\,\)回の受験で資格を取得するのは難しいので費用は受験回数に応じて発生することを頭に入れておきましょう。

独学で合格を狙う人は、じっくり時間をかけて毎日コツコツ勉強し知識をためていき、やみくもに受験するのではなく\(\,4\,\)科目(理論・電力・機会・法規)については\(\,3\,\)年間をたっぷり使って、科目別合格制度を活用し計画的に合格を目指しましょう。

試験申し込み期間

\(\,5\,\)月下旬頃~\(\,6\,\)月中旬頃

※年度によって期間が異なりますので必ず、電気技術者試験センターHPで日にちの確認をしてください。

受験案内の配布先
■一般財団法人 電気技術者試験センター 本部事務局
■書店
■河合塾主要校舎
■産業保安監督部(署)
■都道府県庁免状窓口

※詳しくは電気技術者試験センターHPで確認してください。

試験頻度および日時や時期

年\(\,1\,\)回実施  \(\,9\,\)月

※詳しくは電気技術者試験センターHPで確認してください。

試験会場

都道府県の主要都市で実施

※試験場は受験案内で確認してください。

受験料

【郵便局からの払込による申込み】(消印有効)
\(\,5,200\,\)円

【インターネットからの申込み】(初日\(\,10:00\,\)~最終日\(\,17:00\,\)まで)
\(\,4,850\,\)円
 

過去数年の平均合格率および難易度

 \(\large{\color{black}{\fbox{平成30年度}}}\)

※受験者数は\(\,1\,\)科目でも出席した人の合計です。
受験者数:\(\,42,976\,\)人

合格者数:\(\,3,918\,\)人
合格率:\(\,9.1\,\)%

科目合格者数:\(\,12,335\,\)人
科目合格率:\(\,28.7\,\)%

 \(\large{\color{black}{\fbox{平成29年度}}}\)

※受験者数は\(\,1\,\)科目でも出席した人の合計です。
受験者数:\(\,45,720\,\)人

合格者数:\(\,3,698\,\)人
合格率:\(\,8.1\,\)%

科目合格者数:\(\,12,176\,\)人
科目合格率:\(\,26.6\,\)%

 \(\large{\color{black}{\fbox{平成28年度}}}\)

※受験者数は\(\,1\,\)科目でも出席した人の合計です。
受験者数:\(\,46,552\,\)人

合格者数:\(\,3,980\,\)人
合格率:\(\,8.5\,\)%

科目合格者数:\(\,13,457\,\)人
科目合格率:\(\,28.9\,\)%

ここ数年の平均合格率は\(\,8.6\,\)%と一桁でとても低く、軽い気持ちではなかなか合格できない難易度の高い難しい試験です。
科目合格者数から見ても、じっくり時間をかけて基礎を固めながら勉強し、\(\,3\,\)年以内に\(\,4\,\)科目全てに合格することを目指す人が多い試験と言えます。

第三種電気主任技術者の上位資格には第二種と第一種がありますが、合格率はさらに低く取得は難しくなるため、比較的難易度が易しい建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)などの資格を取得して仕事の幅を広げるものおすすめです。

第一種電気主任技術者・第二種電気主任技術者は、第三種電気主任技術者の上位資格になります。

主催・試験実施団体

名称:一般財団法人 電気技術者試験センター
住所:東京都中央区八丁堀2-9-1 RBM東八重洲ビル8F

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