自家用操縦士の滑空機は自身がグライダーで楽しむための免許として、また飛行船は事業用(飛行船)のステップとして取得する人が多い国家資格です。
自家用操縦士(滑空機/飛行船)になるための学科試験・実地試験の内容や試験日と受験資格をお伝えします。

自家用操縦士の資格を有する人が計器飛行方式により飛行するには、別に計器飛行証明を取得する必要があります。

資格または検定試験名(正式名称と通称)

自家用操縦士(滑空機/飛行船)(国家資格 業務独占

 \(\large{\color{magenta}{\fbox{自家用操縦士・動力滑空機}}}\)  

 \(\large{\color{orange}{\fbox{自家用操縦士・上級滑空機}}}\) 
 
 \(\large{\color{brown}{\fbox{自家用操縦士・飛行船}}}\)

自家用操縦士は日本の運転免許の第一種に相当し、報酬を受けないで無償の運航を行う自家用の軽飛行機やビジネスジェットなどを操縦するのに必要な資格です。

国土交通大臣の航空従事者技能証明(ライセンス)を受けた人は「航空従事者」と呼ばれ、操縦士(パイロット)には自家用操縦士(滑空機/飛行船)の他に次の資格があります。
自家用操縦士(飛行機/回転翼)
事業用操縦士(飛行機/回転翼)
事業用操縦士(滑空機/飛行船)
定期運送用操縦士(飛行機/回転翼)

受験資格

自家用操縦士になるには前提として、一定の年齢および飛行経歴が必要です。
実地試験を申請するまでにこの要件を満たしておくことが必要となります。

 \(\color{magenta}{\fbox{自家用操縦士・動力滑空機}}\) 

\(\,16\,\)歳以上で以下の飛行経験を有する人
●出発地点から\(\,120\,\)km以上の野外飛行で、中間で\(\,1\,\)回以上の生地着陸

 \(\color{orange}{\fbox{自家用操縦士・上級滑空機}}\)

\(\,16\,\)歳以上で以下の飛行経験を有する人
●えい航による\(\,30\,\)回以上などの滑空を含む、単独操縦による\(\,3\,\)時間以上の滑空

 \(\color{brown}{\fbox{自家用操縦士・飛行船}}\)

\(\,17\,\)歳以上・総飛行時間\(\,50\,\)時間以上で以下の飛行経験を有する人
●\(\,10\,\)回以上の離陸を含む\(\,5\,\)時間以上の単独飛行

試験内容と受験対策方法

試験内容

試験は学科試験実地試験が行われます。

学科試験に合格しなければ実地試験は受けられません。
※ただ、学科試験は科目合格制度が採られているので1度に全科目について合格しなくても、一部の科目に合格してから1年以内に行われる試験で全科目に合格すれば良いことになっています。

実地試験は実際に航空局の試験官が航空機に受験者と同乗して飛行し、受験者の技量を見て試験を行います。

 \(\color{magenta}{\fbox{自家用操縦士・動力滑空機}}\)  
【学科試験】
■出題形式:マークシート方式(四肢択一式)
■出題範囲(問題数 試験時間):
\(\,1.\,\)航空工学(\(\,20\,\)問 \(\,40\,\)分)
\(\,2.\,\)航空気象(\(\,20\,\)問 \(\,40\,\)分)
\(\,3.\,\)空中航法(\(\,20\,\)問 \(\,40\,\)分)
\(\,4.\,\)航空通信(\(\,20\,\)問 \(\,40\,\)分)
\(\,5.\,\)航空法規等(\(\,20\,\)問 \(\,40\,\)分)
■配点:\(\,1\,\)問 \(\,5\,\)点
■合格基準:各科目ごと\(\,70\,\)点以上(\(\,100\,\)点満点)

【実地試験】
\(\,1.\,\)運航に必要な知識 
\(\,2.\,\)飛行前作業
\(\,3.\,\)飛行場および場周経路における運航
\(\,4.\,\)各種離着陸ならびに着陸復行 他

 \(\color{orange}{\fbox{自家用操縦士・上級滑空機}}\)

【学科試験】
■出題形式:マークシート方式(四肢択一式)
■出題範囲(問題数 試験時間):
動力滑空機と同じです。
■配点:\(\,1\,\)問 \(\,5\,\)点
■合格基準:各科目ごと\(\,70\,\)点以上(\(\,100\,\)点満点)

【実地試験】
\(\,1.\,\)運航に必要な知識 
\(\,2.\,\)飛行前作業
\(\,3.\,\)飛行場および場周経路における運航
\(\,4.\,\)えい航による飛行 他
 
 \(\color{brown}{\fbox{自家用操縦士・飛行船}}\)

【学科試験】
■出題形式:マークシート方式(四肢択一式)
■出題範囲(問題数 試験時間):
\(\,1.\,\)航空工学(\(\,20\,\)問 \(\,40\,\)分)
\(\,2.\,\)航空気象(\(\,20\,\)問 \(\,40\,\)分)
\(\,3.\,\)空中航法(\(\,20\,\)問 \(\,60\,\)分)
\(\,4.\,\)航空通信(\(\,20\,\)問 \(\,40\,\)分)
\(\,5.\,\)航空法規(\(\,20\,\)問 \(\,40\,\)分)
■配点:\(\,1\,\)問 \(\,5\,\)点
■合格基準:各科目ごと\(\,70\,\)点以上(\(\,100\,\)点満点)

【実地試験】
\(\,1.\,\)運航に必要な知識 
\(\,2.\,\)飛行前作業
\(\,3.\,\)飛行場および場周経路における運航
\(\,4.\,\)えい航による飛行
\(\,5.\,\)基本的な計器による飛行 他

対策方法

国土交通省のHPに過去問題と解答年度毎に月別で掲載されています。

試験頻度および日時や時期

原則として年\(\,6\,\)回実施  \(\,5\,\)月・\(\,7\,\)月・\(\,9\,\)月・\(\,11\,\)月・\(\,1\,\)月・\(\,3\,\)月

実施日についてはその都度官報で公示されるので必ず確認してください。

試験会場

千歳・仙台・岩沼・東京・名古屋・大阪・福岡・宮崎・那覇 など

試験会場についてはその都度官報で公示されるので必ず確認してください。

受験料

 \(\color{magenta}{\fbox{自家用操縦士・動力滑空機}}\) 

【学科試験】\(\,5,600\,\)円 
【実地試験】\(\,40,100\,\)円
【登録免許税】\(\,3,000\,\)円

 \(\color{orange}{\fbox{自家用操縦士・上級滑空機}}\)

【学科試験】\(\,5,600\,\)円 
【実地試験】\(\,22,800\,\)円
【登録免許税】\(\,3,000\,\)円

 \(\color{brown}{\fbox{自家用操縦士・飛行船}}\)

【学科試験】\(\,5,600\,\)円 
【実地試験】\(\,46,400\,\)円
【登録免許税】\(\,3,000\,\)円

主催・試験実施団体

名称:国土交通省 航空局 安全部運航安全課
住所:東京都千代田区霞が関2-1-3

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