自然ガイド資格試験には2種類のステージがあり、ステージによって受験資格や試験科目に違いがあります。
ここでは資格取得に必要な講習などの概要をまとめておきます。
日本山岳協会が行っているガイド資格にはそれぞれ活動できる範囲がありますので確認しておくと良いでしょう。

資格または検定試験名(正式名称と通称)

自然ガイド資格検定試験:(通称)自然ガイド(民間資格)

 \(\large{\color{magenta}{\fbox{自然ガイド ステージⅠ}}}\)

国内で無積雪期において、人間社会と隣接する里地・里山・山地・高原で、自然・歴史・民俗等を解説する自然ガイドを行う事が出来る資格。
※ただし自然ガイド単独資格の人は、ピークハントが主な目的となる登山ガイド業務は行えません。

⇒ 自然ガイドステージ1資格試験の受験資格と科目や講習内容と難易度

【活動できる範囲】
雪のない時期の高原や山野、里地里山となります。
例:上高地、尾瀬ヶ原、霧ヶ峰等の高原 など
※ただし山岳地においても、公共交通手段で近づくことができる場所のその施設周辺での活動は認められています。
(立山弥陀ヶ原・千畳敷カール・白馬八方尾根八方池まで など)

 \(\large{\color{red}{\fbox{自然ガイド ステージⅡ}}}\)

国内で四季を通じて、人間社会と隣接する里地・里山・山地・高原で、自然・歴史・民俗等を解説する自然ガイドを行う事が出来る資格。
※ただし自然ガイド単独資格の人は、ピークハントが主な目的となる登山ガイド業務はは行えません。

⇒ 自然ガイドステージ2資格試験の受験資格と科目や講習内容と難易度

【活動できる範囲】
雪のない時期の高原や山野、里地里山および積雪期の里地里山となり、高原・山野は森林限界を越えない範囲となります。
例:積雪期の日光戦場ヶ原、霧ヶ峰などの交通機関と隣接する地帯です。

ガイド資格認定

全科目に合格し、且つ、受験者義務講習を修了した者へは、ガイド資格認定通知書を発行する。
認定通知書受給者は、本会正会員団体に入会し、正会員団体より入会手続を行う。
手続きが完了したものには正会員団体を通して、本会よりガイド資格認定証(本会正会員証)およびガイドバッチを付与する。
本会に入会しなければガイド活動を行うことは出来ない。

※出典:日本山岳ガイド協会HPより

資格更新について

 \(\color{magenta}{\fbox{自然ガイドステージⅠ}}\)

資格更新は\(\,3\,\)年毎に\(\,4\,\)単位以上の資格更新研修を修了することで更新される。
自己の有効期限内に満\(\,65\,\)歳に達したとき、その間\(\,1\,\)回以上の資格更新研修会を履修し次の資格有効期間を確定している者は、その後\(\,3\,\)年毎に\(\,2\,\)日間の机上研修を修了することで更新される。
実技研修免除の年齢を越えて資格を取得した者は、\(\,1\,\)回以上の更新研修会を修了した後に年齢による実技研修免除が適応される。

また、この資格の有効期限内に自然ガイドステージⅡ資格を取得した場合、そこから新しい資格としての有効期限が発生する。
すでに更新研修を修了させ、自然ガイドステージⅠの資格を更新していたとしてもその更新は自然ガイドステージⅡ資格には反映されない。

※出典:日本山岳ガイド協会HPより

 \(\color{red}{\fbox{自然ガイドステージⅡ}}\)

資格更新は\(\,3\,\)年毎に\(\,4\,\)単位以上の資格更新研修を修了することで更新される。
自己の有効期限内に満\(\,65\,\)歳に達したとき、その間\(\,1\,\)回以上の資格更新研修会を履修し次の資格有効期間を確定している者は、その後\(\,3\,\)年毎に\(\,2\,\)日間の机上研修を修了することで更新される。
実技研修免除の年齢を越えて資格を取得した者は、\(\,1\,\)回以上の更新研修会を修了した後に年齢による実技研修免除が適応される。

※出典:日本山岳ガイド協会HPより

受験資格

 \(\color{magenta}{\fbox{自然ガイド ステージⅠ}}\)

■満\(\,20\,\)歳以上で健康で体力があること、通算\(\,100\,\)日以上の自然活動経験を持つ人。

 \(\color{red}{\fbox{自然ガイド ステージⅡ}}\)

■満\(\,20\,\)歳以上で健康で体力があること、日本山岳ガイド協会の「自然ガイド ステージⅠ」の資格を持つ人。
■自然ガイド ステージⅠの試験から連続して受験する場合は、無積雪期実技試験に合格している人。
■通算\(\,100\,\)日以上の自然活動経験を持ち、内\(\,10\,\)日以上の積雪期の自然活動経験を持つ人。

試験内容と受験対策方法

試験内容

 \(\color{magenta}{\fbox{自然ガイド ステージⅠ}}\)

筆記試験実技検定試験です。
一次試験の筆記試験に合格した人が、二次試験の実技検定試験を受験することが出来ます。

【一次試験の有効年数】
一次試験の合格有効年数は、合格通知書の発行日から\(\,5\,\)年目の当該日までです。
【二次試験の各科目の有効年数】
各科目の合格有効年数は、合格通知書の発行日から\(\,3\,\)年目の当該日までです。

 \(\color{black}{\fbox{筆記試験(一次試験)}}\)

試験科目:
■共通科目  基礎的知識/ガイド業務関連知識
■専門科目  自然ガイド専門知識/安全管理
■小論文

※他のガイド資格で一次試験に合格している場合は、共通科目が免除されます。
ただし、フリークライミング インストラクター資格者はこの限りではありません。

 \(\color{black}{\fbox{実技検定試験(二次試験)}}\)

試験科目:
■無積雪期自然観察路ルートガイディング 自然解説技術、安全管理技術
■筆記試験(実技検定試験に付帯する筆記試験を行う場合もあります。)

 \(\color{blue}{\fbox{受験者義務講習会}}\)

講習会内容:危急時対応技術講習
ガイドの安全管理にとって重要な科目です。
危急時対応技術講習を受講しない場合には、認定通知書が発行されません。(検定は行なわれません。)
※他のガイド資格を取得していて、すでに危急時対応技術講習もしくはファーストエイド講習会を受講している場合には免除されます。
※講習会の日程は、日本山岳ガイド協会HPで確認してください。

 \(\color{red}{\fbox{自然ガイド ステージⅡ}}\)

実技検定試験のみです。

【二次試験の各科目の有効年数】
各科目の合格有効年数は、合格通知書の発行日から\(\,3\,\)年目の当該日までです。

\(\color{black}{\fbox{他の資格取得者の受験について}}\)

登山ガイドステージⅠを取得した者が自然ガイドステージⅡを取得する場合は、
筆記試験において自然ガイドステージⅠの専門科目2科目を受験し、
自然ガイドステージⅡの「積雪期自然観察路ルートガイディング 自然観察指導技術、安全管理技術」検定を受験する。
登山ガイドステージⅠ認定時に「危急時対応技術」義務講習を修了していない場合は、
この科目修了後に自然ガイドステージⅡ資格認定となる。

※※出典:日本山岳ガイド協会HPより

 \(\color{black}{\fbox{実技検定試験}}\)

試験科目:
■積雪期自然観察路ルートガイディング 自然解説技術、安全管理技術

\(\color{blue}{\fbox{受験者義務講習会}}\)

自然ガイド ステージⅠの認定時に、危急時対応技術講習を修了していない人は受講する必要があります。

講習会内容:危急時対応技術講習
ガイドの安全管理にとって重要な科目です。
危急時対応技術講習を受講しない場合には、認定通知書が発行されません。(検定は行なわれません。)
※講習会の日程は、日本山岳ガイド協会HPで確認してください。

対策方法

テキスト・参考書での独学
講座・ガイド養成指導

日本山岳ガイド協会より筆記試験の問題集とテキスト(教本・マニュアル)が発行されています。
日本山岳ガイド協会HPより購入できます。

●自然ガイド・登山ガイド 職能別ガイド検定試験 筆記試験過去問題集
●ガイドマニュアル【山岳ガイド編】
●ガイドの基礎的知識教本 改訂版
●自然・登山ガイドの専門的知識教本
●山のファーストエイド教本
●雪の安全管理・雪崩対策技術教本
●百万人の山と自然「講座 登山 基礎」 増補改訂版 など

筆記試験については、、日本山岳ガイド協会発行のテキストを熟読し、忠実に問題集解いて行きましょう。

また、自然ガイド養成連続(3回)講座の受講や、ガイド養成指導を受け実技検定免除者として推薦を受けることも、資格取得への近道になるでしょう。

小論文では、原稿用紙\(\,2\,\)枚目の最後の行まで埋めることが重要です。

試験頻度および日時や時期

 \(\color{black}{\fbox{筆記試験}}\)

年\(\,2\,\)回実施  \(\,6\,\)月・\(\,11\,\)月

 \(\color{black}{\fbox{実技試験}}\)

日本山岳ガイド協会HPで確認してください。

試験会場

 \(\color{black}{\fbox{筆記試験}}\)

東京・大阪

※会場は受験票や日本山岳ガイド協会HPで確認してください。

 \(\color{black}{\fbox{実技試験}}\)

各地の山

※会場は日本山岳ガイド協会HPで確認してください。

受験料

 \(\color{magenta}{\fbox{自然ガイド ステージⅠ}}\)

 \(\color{black}{\fbox{筆記試験}}\)

\(\,20,000\,\)円
他のガイド資格で一次試験合格している場合は共通科目が免除され、受験料は\(\,15,000\,\)円となります。
※ただし、フリークライミング インストラクター資格者はこの限りではありません。

 \(\color{black}{\fbox{実技試験}}\)

【無積雪期自然観察路ルートガイディング 自然解説技術・安全管理技術】
\(\,30,000\,\)円
認定養成指導者による同等の検定を経ている場合は免除されます。
この場合、\(\,10,000\,\)円の審査料となります。

 \(\color{blue}{\fbox{危急時対応技術講習}}\)

\(\,25,000\,\)円

 \(\color{red}{\fbox{自然ガイド ステージⅡ}}\)

 \(\color{black}{\fbox{実技試験}}\)

【積雪期自然観察路ルートガイディング 自然解説技術・安全管理技術】
\(\,30,000\,\)円
認定養成指導者による同等の検定を経ている場合は免除されます。
この場合、\(\,10,000\,\)円の審査料となります。

主催・試験実施団体

名称:公益社団法人 日本山岳ガイド協会
住所:東京都新宿区四谷三栄町6番9号 丸藤ビル2階