不動産鑑定士試験に受験資格は必要ありませんが、試験の形式がいくつかありますので単純ではありません。
試験形式や受験順序と日程などの試験概要および合格率と難易度をお伝えします。

合格への近道は資格専門の学校に通って学ぶことでしょうが、独学での合格も可能な資格試験です。

資格または検定試験名(正式名称と通称)

不動産鑑定士試験:(通称)不動産鑑定士国家資格

不動産鑑定士とは

不動産鑑定士は、地域の環境や諸条件を調査して「不動産の有効利用」を判定する不動産の鑑定評価はもとより、、それを基礎として不動産の適正な利用について考慮する専門家です。
司法試験や公認会計士試験と並び「三大文系難関国家資格」とされていて社会的信用度が高いです。

不動産鑑定士試験に合格した者はその後実務修習を修了し、国土交通省に備える不動産鑑定士名簿に登録を受けることにより不動産鑑定士となります。

受験資格

 \(\large{\color{green}{\fbox{短答式試験}}}\) \(\large{\color{red}{\fbox{論文式試験}}}\)
誰でも受験できます。
※ただし、論文式試験は本年実施の短答式試験に合格した者、および昨年、一昨年の短答式試験の合格者のうち本年の受験申請において短答式試験の免除申請をした者が受験できます。

【論文式試験の科目の一部免除対象者】
●民法
・大学等において通算して3年以上、法律学に属する科目の教授又は准教授(助教授)の職にあった者
・法律学に属する科目に関する研究により博士の学位を授与された者
・司法試験又は旧司法試験第二次試験に合格した者

●経済学
・大学等において通算して3年以上、経済学に属する科目の教授又は准教授(助教授)の職にあった者
・経済学に属する科目に関する研究により博士の学位を授与された者

●会計学
・大学等において通算して3年以上、商学に属する科目の教授又は准教授(助教授)の職にあった者
・商学に属する科目に関する研究により博士の学位を授与された者

●合格した試験において受験した科目
・高等試験本試験に合格した者

●会計学及び合格した試験において受験した科目(民法または経済学)
・公認会計士試験に合格した者、または旧公認会計士試験第二次試験に合格した者

※「大学等」とは
学校教育法による大学もしくは高等専門学校、旧大学令による大学(予科を含む)、旧高等学校令による高等学校高等科又は旧専門学校令による専門学校

試験内容と受験対策方法

短答式論文式による2段階の筆記試験です。

論文式試験は短答式試験の合格者のみ受けることが出来ます。
※短答式試験の合格者は以後2年間、短答式試験を免除され直接論文式試験を受けることが出来ます。

試験内容

 \(\large{\color{green}{\fbox{短答式試験}}}\) 
■不動産に関する行政法規
出題形式:択一式(マークシート方式
試験時間:\(\,2\,時間\)
出題範囲:下記の(1)の法律を中心に、(2)の法律を含みます(関係する施行令、施行規則等を含む)
(1)土地基本法、不動産の鑑定評価に関する法律、地価公示法、国土利用計画法、都市計画法、土地区画整理法、都市再開発法、建築基準法、マンションの建替え等の円滑化に関する法律(建物の区分所有等に関する法律の引用条項を含む)、不動産登記法、土地収用法、土壌汚染対策法、文化財保護法、農地法、所得税法(第1編から第2編第2章第3節までに限る)、法人税法(第1編から第2編第1章第1節までに限る)、租税特別措置法(第1章、第2章並びに第3章第5節の2及び第6節に限る)、地方税法
(2)都市緑地法、住宅の品質確保の促進等に関する法律、宅地造成等規制法、宅地建物取引業法、自然公園法、自然環境保全法、森林法、道路法、河川法、海岸法、公有水面埋立法、国有財産法、相続税法、景観法、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律、不動産特定共同事業法(第1章に限る)、資産の流動化に関する法律(第1編及び第2編第1章に限る)、投資信託及び投資法人に関する法律(第1編、第2編第1章及び第3編第2章第2節に限る)、金融商品取引法(第1章に限る)

■不動産の鑑定評価に関する理論
出題形式:択一式(マークシート方式
試験時間:\(\,2\,時間\)
出題範囲:不動産鑑定評価基準および不動産鑑定評価基準運用上の留意事項

【試験当日スケジュール】
●午前中(\(\,2\,時間\))
不動産に関する行政法規
●午後(\(\,2\,時間\))
不動産の鑑定評価に関する理論

 \(\large{\color{red}{\fbox{論文式試験}}}\)
■民法
出題形式:論文式
試験時間:\(\,2\,時間\)
出題範囲:
民法、第1編から第3編までを中心に、同法第4編及び第5編並びに次の特別法を含み、借地借家法、建物の区分所有等に関する法律

■経済学
出題形式:論文式
試験時間:\(\,2\,時間\)
出題範囲:ミクロおよびマクロの経済理論と経済政策論

■会計学
出題形式:論文式
試験時間:\(\,2\,時間\)
出題範囲:財務会計論(企業の財務諸表の作成及び理解に必要な会計理論、関係法令及び会計諸規則を含む)

■不動産の鑑定評価に関する理論
出題形式:論文式(演習による出題を含む)
試験時間:論文\(\,4\,時間\)・演習問題\(\,2\,時間\)
出題範囲:不動産鑑定評価基準及び不動産鑑定評価基準運用上の留意事項

【試験当日スケジュール】
≪1日目≫
●午前中(\(\,2\,時間\))
民法
●午後(\(\,2\,時間\))
経済学
≪2日目≫
●午前中(\(\,2\,時間\))
会計学
●午後(\(\,2\,時間\))
不動産の鑑定評価に関する理論
≪3日目≫
●午前中(\(\,2\,時間\))
不動産の鑑定評価に関する理論
●午後(\(\,2\,時間\))
不動産の鑑定評価に関する理論(演習)

合格基準:
 \(\large{\color{green}{\fbox{短答式試験}}}\) 
総合点で概ね\(\color{red}{\,70\,%を基準}\)に、土地鑑定委員会が相当と認めた得点となります。
※ただし、総合点のほかに各試験科目について一定の得点を必要とします。
 \(\large{\color{red}{\fbox{論文式試験}}}\)
総合点で概ね\(\color{red}{\,60\,%を基準}\)に、土地鑑定委員会が相当と認めた得点となります。
※ただし、総合点のほかに各試験科目について一定の得点を必要とします。

対策方法

独学
専門講座
通信講座

不動産鑑定士はかなり狭き門と言えるでしょう。

不動産の関するとても多くの試験科目(行政法規や不動産の鑑定評価に関する理論や民法、経済学、会計学など)が出題され、相対評価の試験なので、バランスよく勉強し苦手科目を作らないように学習することがポイントです。
合格への近道は資格専門の学校に通って学ぶことですが、高額な費用がかかります。

資格専門の学校のホームページなどでは、合格するには毎日10時間勉強して8か月程度と書かれています。
毎日10時間の勉強時間を作ることは難しいでしょうから、2年間程度と考え計画的にコツコツ努力しましょう。

試験頻度および日時や時期

 \(\large{\color{green}{\fbox{短答式試験}}}\) 
 \(年\,1\,回\hspace{10pt}5\,月\)

 \(\large{\color{red}{\fbox{論文式試験}}}\)
 \(年\,1\,回\hspace{10pt}8\,月に\,3\,日間\)

試験会場

 \(\large{\color{green}{\fbox{短答式試験}}}\) 
・北海道札幌市
・宮城県仙台市
・東京都特別区
・新潟県新潟市
・愛知県名古屋市
・大阪府大阪市
・広島県広島市
・香川県高松市
・福岡県福岡市
・沖縄県那覇市

 \(\large{\color{red}{\fbox{論文式試験}}}\)
・東京都特別区
・大阪府大阪市
・福岡県福岡市

試験場(短答式・論文式)については、国土交通省のホームページで確認してください。

受験料

■書面申請
 \(13,000\,円\)(収入印紙)
受験者の住所地を管轄する都道府県主管課で受け付けします。

■電子申請
 \(12,800\,円\)(電子納付)
国土交通省オンライン申請システムで受け付けします。

※短答式試験の免除や論文式試験の科目の免除がなされる場合においても同額です。

過去数年の平均合格率および難易度

 \(\large{\color{green}{\fbox{短答式試験}}}\) 合格率:\(\,\color{red}{30\,%前後}\)

 \(\large{\color{red}{\fbox{論文式試験}}}\) 合格率:\(\,\color{red}{15\,%前後}\)

論文式試験は、短答式試験に合格した人でなければ受験できない、ということを忘れないでください。
様々な法律に加え、不動産についての深い知識が要求されるかなり難易度の高い検定試験です。

主催・試験実施団体

名称:国土交通省
住所:東京都千代田区霞が関2-1-3