情報技術検定とは全国の工業高校校長で組織される協会主催の文部科学省後援の、基礎的な情報処理の習得を目的とする資格試験です。
同じ文部科学省後援の情報検定(J検)とは別物です。
工業高校生は学校での説明を受けることができますが、試験概要と日程および合格率や試験対策についてお伝えしておきます。
資格または検定試験名(正式名称と通称)
情報技術検定(民間資格)
\(\large{\color{green}{\fbox{3級}}}\) \(\large{\color{magenta}{\fbox{2級}}}\) \(\large{\color{red}{\fbox{1級}}}\)
工業技術者として必要な、基礎的な情報技術に関する知識と技能が習得されているかを検定します。
受験資格
\(\color{green}{\fbox{3級}}\) \(\color{magenta}{\fbox{2級}}\) \(\color{red}{\fbox{1級}}\)
工業高等学校在学生、卒業生および会場校が受験を認めた者とします。
試験内容と受験対策方法
試験内容
\(\color{green}{\fbox{3級}}\)
情報処理技術入門者向け(JIS Full BASIC、C言語から選択)
1.コンピュータと社会
・情報化社会
・情報モラルと管理
2.数の表現と論理
・\(\,2\,進数、\,16\,進数、\,10\,進数\)
・論理回路の基礎
3.コンピューターの構成と利用
・コンピュータの構成
・周辺装置
・ソフトウェアの基礎
・コンピュータ用言語
・マルチメディア
・コンピュータネットワーク
4.アルゴリズム
・直線型
・分岐型
・繰り返し型
・トレース
5.プログラム作成能力(JIS Full BASIC、C言語から選択)
・データの入出力と計算
・制御文
試験時間:\(\,50\,分\)
配点:\(\,100\,点満点\)
\(\color{magenta}{\fbox{2級}}\)
情報処理技術中級者向け(JIS Full BASIC、C言語から選択)
1.数の表現と演算
・数の表現
・2進数の演算
2.論理回路
・論理回路と論理式
・コンピュータの基本回路
3.ハードウェアの知識
・コンピュータの基本構成
・コンピュータの基本動作
・周辺装置
4.ソフトウェアの基礎
・ソフトウェアの構成
・ソフトウェアの関連知識
5.コンピューターの利用
・マルチメディア
・ネットワーク
・コンピュータ制御
6.アルゴリズム
・流れ図の基本形
・多分岐型
・多重ループ
・トレース
・サブルーチン
・配列
・探索
・並べ替え
7.プログラム作成能力(JIS Full BASIC、C言語から選択)
・データの入出力と計算
・制御文
・配列
・サブルーチン
試験時間:\(\,50\,分\)
配点:\(\,100\,点満点\)
\(\color{red}{\fbox{1級}}\)
国家資格「基本情報技術者試験」の受験希望者向け(C言語)
Ⅰ.ハードウェアの知識
1.数の表現と処理
・情報量
・数の表現
・正の数・負の数
・固定小数点形
・式と浮動小数点形式
・データの表し方
・論理演算
2.コンピュータの基本回路
・基本論理回路と論理式
・演算回路
・フリップフロップを応用した回路
・エンコーダ・デコーダとマルチプレクサ・デマルチプレクサ
・インタフェース回路
3.コンピュータの基本構成と各部の働き
・基本構成
・中央処理装置
・主記憶装置
・補助記憶装置
・入出力装置
4.通信
・通信方式
・インターネット向けのブロードバンドサービス
5.ソフトウェアの基礎
・オペレーティングシステム
・プログラム言語
・アプリケーションソフトウェア
・ソフトウェアの開発
6.その他の情報関連知識
・情報技術と社会
・ネットワーク
・情報処理システム
・マルチメディア
・情報化の課題
試験時間:\(\,50\,分\)
配点:\(\,100\,点満点\)
Ⅱ.プログラミングの基礎知識
7.アルゴリズム
・並べ替え
・探索
・順位付けと度数分布
・漸化式
・簡単なアルゴリズム
・代表的なアルゴリズム
・定積分のアルゴリズム
・根を求めるアルゴリズム
8.プログラム作成能力(C言語)
・C の応用的なプログラム
・各種アルゴリズム
試験時間:\(\,50\,分\)
配点:\(\,100\,点満点\)
※
1.プログラム言語は次のものを用いることとします。
・BASICはJIS Full BASIC
・C言語は旧ANSI、JIS準拠
2.論理記号は旧MIL記号を用いることとします。
3.ポケコン、電卓などの使用は不可とします。
★合否判定
合否判定は、学校ごとに定める委員会で別に定める採点基準により行います。
\(\color{green}{\fbox{3級}}\) \(\,70\,\)点以上得点した者とします。
\(\color{magenta}{\fbox{2級}}\) \(\,70\,\)点以上得点者したとします。
\(\color{red}{\fbox{1級}}\) \(Ⅰ・Ⅱの両方とも\,70\,\)点以上得点した者とします。
対策方法
標準問題集での独学
3級(\(1,300\,円\))・2級(\(1,540\,円\))・1級(\(1,750\,円\))それぞれに、全国工業高等学校長協会 編集・発行している「情報技術検定試験標準問題集」があります。
自学自習で合格するために、要点・例題・解答要領・練習問題・過去問題などがおりこまれています。
全国工業高等学校長協会より購入できますが、学校より購入すると送料が無料になります。
試験頻度および日時や時期
\(年\,2\,回\hspace{10pt}6\,月\,11\,月\)
試験会場
受験希望校
受験料
\(\color{green}{\fbox{3級}}\) \(600\,円\)
\(\color{magenta}{\fbox{2級}}\) \(600\,円\)
\(\color{red}{\fbox{1級}}\) \(800\,円\)
過去数年の平均合格率および難易度
\(\color{green}{\fbox{3級}}\) \(60\,\)%程度
\(\color{magenta}{\fbox{2級}}\) \(40\,\)%程度
\(\color{red}{\fbox{1級}}\) \(10\,\)%程度
主催・試験実施団体
名称:公益社団法人 全国工業高等学校長協会
住所:東京都千代田区飯田橋2-8-1
工業系の高校在学中に取得可能な資格一覧です。
進学や就職に有利になるよう他の資格もチェックしてみましょう。