溶接管理技術者特別級の評価試験日程や試験内容と研修会(講習会)についてお伝えします。

溶接管理技術者とは、溶接に関連した技術と知識、さらに施工と管理についての専門的な職務能力があることの認証を目的として発行される資格のことです。

資格または検定試験名

溶接管理技術者:(民間資格

溶接管理技術者とは

溶接管理技術者とは、一般社団法人日本溶接協会が定めた規格であるWES8103「溶接管理技術者認証基準」に則って、溶接施工についての作業や工程を総合的に計画・管理する専門的な職務能力があることの認証を目的として発行される資格のことです。

資格は、2級1級・特別級に分類されています。

≪評価試験合格後の登録≫
評価試験合格後、\(\,3\,\)ヵ月以内に登録が必要です。
登録料:\(\,19,800\,\)円

≪合格後の更新≫
溶接管理技術者の有効期間は\(\,5\,\)年間です。
更新するためには、有効期限前に再認証審査(書類審査と評価試験)を受ける必要があります。
再認証審査を行わなかった場合、資格が失効します。
申請料:\(\,6,600\,\)円
評価試験料:\(\,22,000\,\)円

特別級の受験資格

■理工系大学院修了者および理工系大学卒業者で、\(\,3\,\)年の職務経験年数を有している人
■理工系以外の大学院修了者および大学卒業者で、\(\,6\,\)年の職務経験年数を有している人
■理工系短期大学および工業高等専門学校卒業者で、\(\,6\,\)年の職務経験年数を有している人
■溶接管理技術者\(\,1\,\)級認証者で、\(\,3\,\)年の職務経験年数を有している人

※学歴によって職務経験の年数が細かく規定されていますので、日本溶接協会HPで必ず確認してください。

特別級の試験内容

特別級の溶接管理技術者評価試験は、「筆記試験Ⅰ・Ⅱ」「口述試験」が行われます。

●筆記試験Ⅰ
筆記試験Ⅰの試験の内容は1級溶接管理技術者評価試験と同一です。

試験時間:\(\,2\,\)時間\(\,30\,\)分
試験科目:
①溶接法
②溶接機器
③溶接冶金
④溶接材料
⑤溶接力学
⑥溶接設計
⑦溶接施工および管理
⑧安全衛生
⑨試験検査
\(\,1\,\)級認証者は筆記試験Ⅰが免除されます。
合格基準:全問の総得点が\(\,70\,\)%以上
※筆記試験Ⅱに合格し筆記試験Ⅰに不合格となった場合は、特別級の合否は保留され、筆記試験Ⅰの再試験(\(\,2\,\)年以内\(\,2\,\)回まで)となります。

●筆記試験Ⅱ
筆記試験Ⅱの試験の科目は\(\,4\,\)つの分野(単位)です。

試験時間:\(\,3\,\)時間
試験科目:
\(\,1.\,\) 材料・溶接性(略称:M)
問題数:\(\,4\,\)題
低合金鋼、ステンレス鋼、チタン及びチタン合金、アルミニウム及びアルミニウム合金、耐熱(Ni 基)合金 など
\(\,2.\,\) 設 計(略称:D)
\(\,問題数:\,\)\(\,4\,\)題
■設計基礎
・溶接継手と構造設計の基礎
・疲労と疲労設計、破壊力学の基礎
■フレーム系設計
・鋼構造設計規準、道路橋示方書 など
・AWS D1.1(英文)
■ベッセル系設計
・圧力容器の継手強度と設計
・JIS 圧力容器
・ASME Sec.Ⅷ(英文)
\(\,3.\,\) 施工・管理(略称:P)
問題数:\(\,4\,\)題
■品質管理一般 溶接関連 ISO 規格
■フレーム系、施工・管理
・破壊事例
・道路橋示方書、建築工事標準仕様書
・JASS 6 鉄骨工事 など
・AWS D1.1(英文)
■ベッセル系、施工・管理
・破壊事例、ASME 規格(英文)
\(\,4.\,\) 溶接法・機器(略称:E)
問題数:\(\,4\,\)題
・各種溶接法(エレクトロガスアーク溶接、エレクトロスラグ溶接、 電子ビーム溶接、レーザ溶接、プラズマ溶接などを含む)
・自動・ロボット溶接
・各種切断法
合格基準:\(\,4\,\)つの分野(単位)毎に各問題が採点されます。
全問の総得点が\(\,70\,\)%以上、かつ各問題の得点が\(\,40\,\)%以上

※全問の総得点が\(\,70\,\)%以上あり、各問題の得点が\(\,40\,\)%未満の問題が\(\,16\,\)問中一つでも含む場合は、その問題を含む分野の単位は保留(筆記試験Ⅰに合格していることが条件)され、再試験(\(\,2\,\)年以内\(\,2\,\)回まで)となります。

●口述試験
溶接管理技術者認証基準(WES 8103)の4項、表1の特別級に該当する責務能力、知識および職務能力を有することを評価するための口述試験が行われます。
合格基準:十分な知識および職務能力を有すると認められたき

特別級の研修会(講習会)

研修会(講習会)では、溶接管理技術者に求められる知識を分かりやすく整理し解説してもらえます。
特別級の受験に際しては、研修会(講習会)に出席し修了証書を取得しても口述試験の免除対象にはなりません。

筆記試験Ⅰ・Ⅱに合格した場合、修了証書の取得の有無にかかわらず、口述試験も受験し合格する必要があります。

会場:札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡 など
※詳しくは日本溶接協会HPで確認してください。
期間:\(\,4\,\)日間
講座内容:
【基礎編(筆記試験Ⅰに対応)】
■\(\,1\,\)日目 溶接法及び溶接機器
■\(\,2\,\)日目 金属材料と溶接性ならびに溶接部の特性
     ガイダンス(評価試験について)
■\(\,3\,\)日目 溶接構造の力学と設計
■\(\,4\,\)日目 溶接構造物の品質マネジメントと溶接施工管理

【応用編(筆記試験Ⅱに対応)】
■\(\,1\,\)日目 金属材料と溶接性ならびに溶接部の特性
     ガイダンス(評価試験について)
■\(\,2\,\)日目 溶接法及び溶接機器
     溶接構造の力学と設計
■\(\,3\,\)日目 鋼構造物の溶接設計と溶接施工
■\(\,4\,\)日目 圧力設備の溶接設計と溶接施工

受講料:\(\, 77,000\,\)円(演習問題集が含まれます)

テキストは、研修会(講習会)前に別途購入してください。
溶接・接合技術総論 4版1刷 発行  9,180円
全国の溶接協会で取り扱っているので、詳しくは日本溶接協会HPで確認してください。

試験頻度および日時や時期

年\(\,2\,\)回実施  \(\,6\,\)月・\(\,11\,\)月

試験会場

【筆記試験】
仙台・東京・名古屋・大阪・福岡 など

【口述試験】
東京・大阪(原則として)

※試験会場は受験票や日本溶接協会HPで確認してください。

受験料

【筆記試験Ⅰ・Ⅱを受験する人】\(\,26,400\,\)円
【筆記試験Ⅱのみを受験する人】\(\,13,200\,\)円
【口述試験】\(\,27,500\,\)円

主催・試験実施団体

名称:一般社団法人 日本溶接協会
住所:東京都千代田区神田佐久間町4-20 溶接会館

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