電気工事施工管理技士は、電気工事のスペシャリストとも言える国家資格で、等級は1級と2級に区分されています。

ここでは電気工事施工管理技術検定1級の試験日程と受験資格や気になる合格率と難易度、できる仕事の規模や仕事の内容についてお伝えします。

検定試験名(資格)

電気工事施工管理技術検定:(資格)電気工事施工管理技士(国家資格 必置

電気工事施工管理技術検定試験(学科試験と実地試験の双方)に合格すると「電気工事施工管理技士」の資格が取得できます。

電気工事施工管理技士とは

電気工事の施工管理は、電気工事施工管理技士の資格がないと行えません。
電気工事施工管理技士は、責任の大きい電気工事の工程管理や安全管理、品質管理などを行う資格で、建設業者が一定規模以上の工事を請け負うためには必要不可欠な資格です。

電気工事業務を幅広くこなしたい人や、独立・起業を目指す人にとっては無くてはならない資格といえます。

≪建設工事現場における主な仕事≫
照明設備工事・変電設備工事・発電設備工事・送配電線工事・構内電気設備工事・非常用電源設備工事・電車線工事・信号設備工事 など

等級は\(\,2\,\)つ、\(\,1\,\)級と\(\,2\,\)級に区分されています。

●2級電気工事施工管理技士
一般建設業の専任技術者もしくは主任技術者になることができる。

一般建設業の許可を得た営業所は、請負金額が\(\,3,000\,\)万円未満の電気工事を受注することができるため、\(\,2\,\)級電気工事施工管理技士は比較的中小規模の工事現場で仕事を行う。

 ⇒ 電気工事施工管理技士2級の試験日程と受験資格および合格率と難易度

●1級電気工事施工管理技士
特定建設業の営業所毎に置くことが義務付けられている専任技術者・主任技術者・管理技術者になることができる。

特定建設業の許可を得た営業所は、請負金額が\(\,3,000\,\)万円以上の電気工事を受注することができるため、1級電気工事施工管理技士は比較的大規模な工事現場で仕事を行う。

1級の受験資格

●学科試験
下記の\(\,(1)~(5)\,\)のいずれかに該当する人
※実務経験年数には「指導監督的実務経験」を1年以上含むことが必要です。

≪指導監督的実務経験とは≫
現場代理人・主任技術者・工事主任・設計監理者・施工監督などの立場で、部下や下請けに対して工事の技術面を総合的に指導監督した経験をいいます。

(1)学歴
■大学・専門学校(高度専門士)
実務経験年数
・指定学科   卒業後\(\,3\,\)年以上
・指定学科以外 卒業後\(\,4\,\)年\(\,6\,\)ヶ月以上
■短期大学・5年制高等専門学校・専門学校(専門士)
実務経験年数
・指定学科   卒業後\(\,5\,\)年以上   
・指定学科以外 卒業後\(\,7\,\)年\(\,6\,\)ヶ月以上 
■高等学校専門学校(専門課程)
実務経験年数
・指定学科   卒業後\(\,10\,\)年以上【注1】【注2】  
・指定学科以外 卒業後1\(\,1\,\)年\(\,6\,\)ヶ月以上【注2】
■その他
実務経験年数 \(\,15\,\)年以上【注2】

(2)資格
2級電気工事施工管理技術検定合格者
実務経験年数 合格後\(\,5\,\)年以上【注1】【注2】

(3)資格と学歴
2級電気工事施工管理技術検定合格後\(\,5\,\)年未満で次の学歴の人

■短期大学・\(\,5\,\)年制高等専門学校・専門学校(専門士)
実務経験年数
・指定学科   卒業後\(\,5\,\)年以上   
・指定学科以外 卒業後\(\,9\,\)年以上【注2】
■高等学校・専門学校(専門課程)
実務経験年数
・指定学科   卒業後\(\,9\,\)年以上【注2】  
・指定学科以外 卒業後\(\,10\,\)年\(\,6\,\)ヶ月以上【注2】 
■その他の人
実務経験年数 \(\,14\,\)年以上【注2】

(4)資格
電気事業法による第一種電気主任技術者第二種電気主任技術者第三種電気主任技術者免状の交付を受けた人
実務経験年数 \(\,6\,\)年以上(交付後ではなく通算)

(5)資格
電気工事士法による第一種電気工事士免状の交付を受けた人
実務経験年数 問われません

【注1】 主任技術者の要件を満たした後、専任の監理技術者の配置が必要な工事に配置され、監理技術者の指導を受けた\(\,2\,\)年以上の実務経験を有する人は、表中【注1】の記載がある実務経験年数に限り\(\,2\,\)年短縮が可能
【注2】 指導監督的実務経験として「専任の主任技術者」を\(\,1\,\)年以上経験した人は、上記の【注2】の記載がある実務経験年数に限り\(\,2\,\)年短縮が可能

●実地試験
下記のいずれかに該当する人

(1)本年度学科試験の合格者
(2)前年度の学科試験の合格者
(3)技術士法による技術士の第二次試験のうちで技術部門を電気電子部門、建設部門又は総合技術監理部門(選択科目が電気電子部門又は建設部門)に合格した人で、なおかつ\(\,1\,\)級電気工事施工管理技術検定学科試験の受検資格を有する人

※実務経験年数や資格に応じた受験資格の詳細については、建設業振興基金HPで必ず確認してください。

1級の試験内容と受験対策方法

試験内容

試験時間:
■学科試験 午前の部(問題A)2時間30分/午後の部(問題B)2時間
■実地試験 \(\,3\,\)時間
出題形式:
■学科試験 四肢択一 (マークシート方式)
■実地試験 記述式
問題数(解答数):
■学科試験 \(\,92\,\)問(\(\,60\,\)問を選択)
■実地試験 \(\,5\,\)問(全\(\,5\,\)問)
出題範囲:
■学科試験 電気工学等・施工管理法・法規
【午前の部】電気工学・電気設備・関連分野・設計・契約関係
【午後の部】工事施工・施工管理・法規
■実地試験 
施工管理法・施工管理・施工管理・電気設備全般・法規
合格基準:
■学科試験 \(\,36\,\)問以上(\(\,60\,\)問中)
■実地試験 \(\,60\,\)%以上

対策方法

参考書・過去問での独学

電気工事施工管理技士の試験問題には、選択問題と必須問題があります。

選択問題では自分の得意な分野を選択して、得意分野で確実に点数を稼げるように参考書を熟読し、過去問題を繰り返し解いていきましょう。
必須問題はなるべく多くの過去問を繰り返し解いていき、問題の傾向を知ることで自信つけて試験に臨みましょう。

1級の試験頻度および日時や時期

年\(\,1\,\)回実施  
【実地試験】 \(\,6\,\)月
【学科試験】 \(\,10\,\)月

1級の試験会場

札幌・仙台・東京・新潟・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・沖縄

※試験会場は受験票で確認してください。

1級の受験料

【実地試験のみ】 \(\,11,800\,\)円
【学科試験のみ】 \(\,11,800\,\)円

1級の過去数年の平均合格率および難易度

■2019年度
学科試験 \(\,40.7\,\)%

■2018年度
学科試験 \(\,56.1\,\)%  実地試験 \(\,73.7\,\)%

■2017年度
学科試験 \(\,48.0\,\)%  実地試験 \(\,62.5\,\)%

■2016年度
学科試験 \(\,46.0\,\)%  実地試験 \(\,69.1\,\)%

■2015年度
学科試験 \(\,45.1\,\)%  実地試験 \(\,63.4\,\)%

■2014年度
学科試験 \(\,35.6\,\)%  実地試験 \(\,63.1\,\)%

■2013年度
学科試験 \(\,45.8\,\)%  実地試験 \(\,58.4\,\)%

過去数年の平均合格率は、学科試験は約\(\,45\,\)%実地試験では約\(\,65\,\)%となっており、難易度は易しい~やや難しい試験と言えるでしょう。

しかし、他の電気系の資格の「電気主任技術者」試験などと比較すると難易度が低い試験です。

主催・試験実施団体

名称:一般財団法人 建設業振興基金
住所:東京都港区虎ノ門4丁目2番12号 虎ノ門4丁目MTビル2号館 6階

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