ビル経営管理士とは、不動産についての幅広い知識を備えた、賃貸ビルの経営管理に関する業務の専門家に与えられる資格です。
ここでは、試験日程と出題範囲、過去問や特典付きの講座、気になる合格率や難易度についてお伝えします。
資格または検定試験名
ビル経営管理士試験:(公的資格)
ビル経営管理士とは
ビル経営管理士とは、ビル経営に関する企画・立案からテナント募集、契約交渉などの営業、建物の修繕等の管理・運営まで、必要な不動産についての幅広い知識と経験を備えた、ビル経営管理のスペシャリストに与えられる資格です。
また、国土交通大臣登録の公的資格で、不動産特定共同事業法の「業務管理者」の要件として位置づけられ、総合不動産投資顧問業登録の人的要件に指定されていることから、金融商品取引法の「不動産関連特定投資運用業」登録の要件にもなっています。
試験合格後に登録(\(\,20,000\,\)円 税別)が必要、登録有効期間は\(\,5\,\)年間です。
5年ごとに更新登録(\(\,10,000\,\)円 税別)が必要となります。
受験資格
誰でも受験できます。
※ただし、試験合格後の登録には実務経験などが必要となります。
詳しくは日本ビルヂング協会HPで確認してください。
試験内容と受験対策方法
試験内容
試験科目・出題形式:賃貸オフィスビルに関する
\(\,1.\,\)企画・立案 択一式・用語選択式(マークシート方式)
\(\,2.\,\)賃貸営業 択一式・用語選択式(マークシート方式)
\(\,3.\,\)管理・運営 択一式・用語選択式(マークシート方式)
\(\,4.\,\)総合問題 記述式問題(ビル経営管理講座修了者は免除)
出題範囲:
1. 賃貸ビルの企画・立案に関する知識
・事業企画(市場調査、敷地選定)
・ビルの商品企画(テナント構成、建築意図)
・ビル建設と法規制
・不動産投資理論
・不動産事業の税務と会計および事業分析
・不動産の証券化に関する仕組みと法制および税制
・長期事業収支計画・長期維持管理計画(ポートフォリオ)
・不動産特定共同事業、業務管理者実務
・不動産投資顧問業登録制度
・デューデリジェンスの調査項目と結果分析
・不動産投資市場および不動産流通市場の知識および分析
・金融市場の動向に関する知識および分析
・遵法性の確保、アカウンタビリティー、プレゼンテーション、リスクマネジメントなどを行ううえで必要な専門知識について
2. 賃貸ビルの賃貸営業に関する知識
・賃貸条件の設定
・テナントの募集
・テナントとの契約手続
・テナントの入退去時の対応
・テナント契約管理(退室・増室・同居・転貸・滞納等)
・賃料・共益費の改定
・テナントニーズの把握
・その他(催事企画など)
・リーシング・マネジメントなどを行ううえで必要な専門知識について
3. 賃貸ビルの管理・運営に関する知識
・プロパティ・マネジメント体制・管理企画業務
・資産管理業務
・ビル運営管理コスト、エネルギーコスト管理
・館内規則の策定
・管理委託契約締結、委託管理業者管理、業務品質評価、業務品質管理
・ビルメンテナンス(日常管理業務:施設・設備・警備・防災・環境衛生等)の管理
・建物維持保全業務(点検、修繕、モダナイゼーション等)の管理
・各種許可・届出などの手続き、立入検査対応管理等
・日常管理業務に関するテナントなどへの対応管理
・コンストラクションマネジメント
・デューデリジェンス(エンジニアリングレポート)
・ライフサイクルコストマネジメント
・複合用途のプロパティ・マネジメントなどを行ううえで必要な専門知識について
4. 総合記述
合格基準:
企画・立案業務・賃貸営業業務・管理・運営業務の\(\,3\,\)科目の合計\(\,184\,\)点以上(\(\,300\,\)点満点中)で、
かつ下記の点数を満たした人が合格となります。
・企画・立案業務科目については(\(\,60\,\)点以上)
・賃貸営業業務科目については(\(\,60\,\)点以上)
・管理・運営業務科目については(\(\,58\,\)点以上)
※ただし、合格基準は科目別の難易度を勘案して決定します。
対策方法
過去問題集・ビル経営管理講座
●過去問題集
日本ビルヂング経営センターHPで、過去\(\,2\,\)年分の『ビル経営管理士試験過去問題集』(各年度ごとで\(\,1\,\)冊)が公開されているのでご活用しましょう。
●ビル経営管理講座
講座修了者(ビル経営管理主任)には次のような特典が用意されています。
・ビル経営管理士試験の「総合問題」科目が免除(2019、2020、2021年度の試験に有効)
・ 一律\(\,30\,\)点が加算
・ビル経営管理士登録における実務経験要件が短縮
※日程や受講料など詳しくは日本ビルヂング経営センターHPで確認してください。
受験案内書の配布期間と申込手続き期間
●受験案内書の配布期間
\(\,8\,\)月~\(\,10\,\)月
●申込手続き期間
\(\,10\,\)月\(\,1\,\)日~\(\,10\,\)月\(\,31\,\)日
試験頻度および日時や時期
年\(\,1\,\)回実施 \(\,12\,\)月
※詳しい日程は 日本ビルヂング経営センターHPで確認してください。
試験会場
全国\(\,6\,\)ヶ所
札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・福岡
※会場は受験票で確認してください。
受験料
\(\,30,000\,\)円(税別)
過去数年の平均合格率および難易度
【2017年度】
受験者数:\(\,616\,\)人 合格者数:\(\,428\,\)人 合格率:\(\,69.5\,\)%
【2016年度】
受験者数:\(\,664\,\)人 合格者数:\(\,461\,\)人 合格率:\(\,69.4\,\)%
【2015年度】
受験者数:\(\,678\,\)人 合格者数:\(\,461\,\)人 合格率:\(\,68.0\,\)%
【2014年度】
受験者数:\(\,668\,\)人 合格者数:\(\,449\,\)人 合格率:\(\,67.2\,\)%
【2013年度】
受験者数:\(\,570\,\)人 合格者数:\(\,396\,\)人 合格率:\(\,69.5\,\)%
【2012年度】
受験者数:\(\,525\,\)人 合格者数:\(\,364\,\)人 合格率:\(\,69.3\,\)%
過去数年の平均合格率は\(\,69\,\)%です。
難易度はやや易しいと言えます。
主催・試験実施団体
名称:一般財団法人 日本ビルヂング経営センター
住所:東京都千代田区大手町1丁目6-1
⇒ 不動産・建築・施工に関する資格一覧 就職や再就職に活かしやすい注目の資格
他の不動産に関する資格もチェックしてみましょう。