金融窓口サービス技能検定は、第一線で金融業務をこなす能力や技術を国が検定する試験です。
1級・2級・3級に区分され、合格すると技能士の称号が付与され、銀行などで働きたい人はもちろん、現在既に金融機関に勤めている人にもおすすめの資格です。
ここでは、金融窓口サービス技能検定の受験資格や日程と試験内容および合格率についてお伝えします。
資格または検定試験名(正式名称と通称)
金融窓口サービス技能検定:(国家資格)
金融窓口サービス技能検定の合格すると、国より技能士の称号が付与されます。
\(\large{\color{magenta}{\fbox{3級}}}\)
\(\,3\,\)級金融窓口サービス技能士
\(\,3\,\)rd grade Certified Skilled Professional of Financial Services(英文表記)
\(\large{\color{orange}{\fbox{2級}}}\)
\(\,2\,\)級金融窓口サービス技能士
\(\,2\,\)nd grade Certified Skilled Professional of Financial Services(英文表記)
\(\large{\color{red}{\fbox{1級}}}\)
\(\,1\,\)級金融窓口サービス技能士
\(\,1\,\)st grade Certified Skilled Professional of Financial Services(英文表記)
金融窓口サービス技能士とは
金融窓口サービス技能士は、\(\,2002\,\)年(平成\(\,14\,\)年)に始まった国家資格で、学科及び実技試験に合格した人を指します。
さまざまな金融サービスと顧客を結ぶ預金、為替、証券などを取り扱う人(金融商品コンサルティング業務)や窓口担当者(テラー業務)のスペシャリストです。
受験資格
\(\,2\,\)級・\(\,1\,\)級では、いずれか\(\,1\,\)つに該当すれば受検することができます。
\(\color{magenta}{\fbox{3級}}\)
●金融機関関連業務に携わっている人または携わろうとしている人
\(\color{orange}{\fbox{2級}}\)
●\(\,2\,\)年以上の実務経験を持つ人
●\(\,3\,\)級技能検定に合格している人(金融商品コンサルティング業務・テラー業務どちらの選択科目でもOK)
●厚生労働省認定テラー技能審査\(\,3\,\)級に合格している人
\(\color{red}{\fbox{1級}}\)
●\(\,4\,\)年以上の実務経験を持つ人
●\(\,2\,\)級技能検定に合格している人
●厚生労働省認定テラー技能審査\(\,2\,\)級合格者
試験内容
3級・2級・1級共通
学科試験あるいは実技試験のいずれか一方を合格した人には、一部合格証書が発行されます。
両方(学科試験・実技試験)に合格すると合格証書が発行されます。
一部合格した人には試験免除制度があり、学科試験あるいは実技試験のいずれか一方を合格した人は、合格した方が免除されます
ただし、試験日が属する年度の翌々年度末までに行われるものに限ります。
※試験免除制度については細部化されているので、金融財政事情研究会HPで確認してください。
合否判定:学科試験と実技試験でそれぞれ合否判定が行われます。
\(\large{\color{black}{\fbox{持込み品}}}\)
試験当日は、筆記用具や計算機の貸出しは一切行われないので忘れ物には十分注意しましょう。
また、持ち込んだ計算機が使用禁止計算機に該当する場合は、試験監督者が使用不可の措置を取ることがあるので、持参する計算機の機能には十分に注意が必要です。
■筆記用具
・HB以上の濃い黒鉛筆
・消しゴム
■計算機
・電源内蔵のもの
・演算機能のみを有するもの
・数値を表示する部分がおおむね水平で、文字表示領域が1行であるもの
・外形寸法がおおむね26cm×18cmの大きさを超えないもの
【使用可】
・√、%、消費税に係る税込・税抜
・売上に係る原価(MD)、売上・売価(MU)、利益率
・日数、時間計算
・マルチ換算についてのキー
・定数計算機能、
・メモリー(M)機能(計算結果を1つだけ記録できるものに限る)
・GTキー
【使用不可】
・関数計算機能(Σ、log等)
・複利計算、ローン計算機能
・紙に記録する機能
・音(タッチ音、音階、音声等)を発する機能
・プログラム(計算式)の入力(登録)機能
・計算過程をさかのぼって確認できる機能 など
\(\large{\color{magenta}{\fbox{3級}}}\)
\(\color{purple}{\fbox{学科試験}}\)
試験時間:\(\,120\,\)分
出題形式:筆記試験 マークシート方式(語群三肢選択式・三答択一式)
問題数:\(\,40\,\)問
・語群三肢選択式(\(\,20\,\)問)
・三答択一式(\(\,20\,\)問)
合格基準:\(\,100\,\)点満点で\(\,70\,\)点以上
試験範囲:
A分野 顧客対応・コンプライアンス等
B分野 関連法令・規制
C分野 金融経済知識・投資理論
D分野 金融商品知識
E分野 相談業務等に係る知識
⇒ 金融窓口サービス技能検定3級の日程や試験範囲および独学用の過去問と合格率
3級の学科試験の範囲の詳細はこちらで確認できます。
\(\color{brown}{\fbox{実技試験}}\)
実技試験は選択科目方式になっているので、受検申請の際に試験科目(テラー業務・金融商品コンサルティング業務)を選択します。
《テラー業務》
試験時間:\(\,60\,\)分
出題形式:筆記試験 マークシート方式
問題数:事例問題\(\,5\,\)題(\(\,20\,\)問程度)
\(\,1\,\)題につき小問は\(\,4\,\)問程度
合格基準:\(\,100\,\)点満点で\(\,70\,\)点以上
試験範囲:
1.顧客対応
2.事務手続・実務知識
3.コンプライアンス
4.商品知識
5.情報収集、提案・セールス
⇒ 金融窓口サービス技能検定3級の日程や試験範囲および独学用の過去問と合格率
3級の実技試験(テラー業務)の範囲の詳細はこちらで確認できます。
《金融商品コンサルティング業務》
試験時間:\(\,60\,\)分
出題形式:筆記試験 マークシート方式
問題数:事例問題\(\,5\,\)題(\(\,20\,\)問程度)
\(\,1\,\)題につき小問は\(\,4\,\)問程度
合格基準:\(\,100\,\)点満点で\(\,70\,\)点以上
試験範囲:
1.投資型金融商品知識
2.コンプライアンス
3.説明・提案技能
4.苦情対応力
⇒ 金融窓口サービス技能検定3級の日程や試験範囲および独学用の過去問と合格率
3級の実技試験(金融商品コンサルティング業務)の範囲の詳細はこちらで確認できます。
\(\large{\color{orange}{\fbox{2級}}}\)
\(\color{purple}{\fbox{学科試験}}\)
試験時間:\(\,120\,\)分
出題形式:筆記試験 マークシート方式(語群四肢選択式・三答択一式)
問題数:\(\,40\,\)問
・語群四肢選択式(\(\,20\,\)問)
・三答択一式(\(\,20\,\)問)
合格基準:\(\,100\,\)点満点で\(\,70\,\)点以上
試験範囲:
A分野 顧客対応・コンプライアンス等
B分野 関連法令・規制
C分野 金融経済知識・投資理論
D分野 金融商品知識
E分野 相談業務等に係る知識
⇒ 金融窓口サービス技能検定2級の日程や試験範囲および独学用の過去問と合格率
2級の学科試験の範囲の詳細はこちらで確認できます。
\(\color{brown}{\fbox{実技試験}}\)
試験時間:\(\,90\,\)分
出題形式:筆記試験 マークシート方式
問題数:事例問題5題(\(\,25\,\)問程度)
\(\,1\,\)題につき小問は\(\,5\,\)問程度
合格基準:\(\,100\,\)点満点で\(\,70\,\)点以上
試験範囲:
1.顧客対応・情報収集
2.商品知識・説明技能
3.コンプライアンス
4.相談業務・提案技能
5.顧客フォロー
⇒ 金融窓口サービス技能検定2級の日程や試験範囲および独学用の過去問と合格率
2級の学科試験の範囲の詳細はこちらで確認できます。
\(\large{\color{red}{\fbox{1級}}}\)
\(\color{purple}{\fbox{学科試験}}\)
試験時間:\(\,120\,\)分
出題形式:筆記試験 マークシート方式(語群四肢選択式・四答択一式)
問題数:\(\,50\,\)問
・語群四肢選択式(\(\,25\,\)問)
・四答択一式(\(\,25\,\)問)
合格基準:\(\,100\,\)点満点で\(\,70\,\)点以上
試験範囲:
A分野 顧客対応・コンプライアンス等
B分野 関連法令・規制
C分野 金融経済知識・投資理論
D分野 金融商品知識
E分野 相談業務等に係る知識
⇒ 金融窓口サービス技能検定1級の日程や試験範囲および独学用の過去問と合格率
\(\color{brown}{\fbox{実技試験}\)
試験時間:\(\,120\,\)分
出題形式:筆記試験 記述式
問題数:事例問題\(\,4\,\)題程度(\(\,12\,\)問~\(\,16\,\)問)
\(\,1\,\)題につき小問は\(\,3~4\,\)問程度
合格基準:\(\,100\,\)点満点で\(\,70\,\)点以上
試験範囲:
1.顧客対応・情報収集
2.商品知識・説明技能
3.コンプライアンス
4.相談業務・提案技能
5.顧客フォロー
⇒ 金融窓口サービス技能検定1級の日程や試験範囲および独学用の過去問と合格率
試験頻度および日時や時期
\(\color{magenta}{\fbox{3級}}\) \(\color{orange}{\fbox{2級}}\)
年\(\,2\,\)回実施 \(\,5\,\)月・\(\,1\,\)月
\(\color{red}{\fbox{1級}}\)
年\(\,1\,\)回実施 \(\,9\,\)月
試験会場
\(\color{magenta}{\fbox{3級}}\) \(\color{orange}{\fbox{2級}}\) \(\color{red}{\fbox{1級}}\)
全国主要都市
※試験会場は受験票で確認してください。
受験料
\(\color{magenta}{\fbox{3級}}\)
【学科】\(\,3,800\,\)円
【実技】
・テラー業務 \(\,4,000\,\)円
・金融商品コンサルティング業務 \(\,4,000\,\)円
\(\color{orange}{\fbox{2級}}\)
【学科】\(\,6,500\,\)円
【実技】\(\,7,000\,\)円
\(\color{red}{\fbox{1級}}\)
【学科】\(\,8,500\,\)円
【実技】\(\,15,000\,\)円
過去数年の平均合格率および難易度
\(\large{\color{magenta}{\fbox{3級}}}\)
【\(\,2018\,\)年\(\,5\,\)月】
\(\color{purple}{\fbox{学科}}\)
受験者数:\(\,2,440\,\)人
合格者数:\(\,1,262\,\)人
合格率:\(\,51.7\,\)%
\(\displaystyle 合格率=\frac{合格者数}{受験者数}=\frac{1,262}{2,440}\times 100≒51.72(%)\)
\(\color{brown}{\fbox{実技}}\)
《テラー業務》
受験者数:\(\,1,716\,\)人
合格者数:\(\,1,465\,\)人
合格率:\(\,85.4\,\)%
\(\displaystyle 合格率=\frac{合格者数}{受験者数}=\frac{1,465}{1,716}\times 100≒85.37(%)\)
《金融商品コンサルティング業務》
受験者数:\(\,457\,\)人
合格者数:\(\,374\,\)人
合格率:\(\,81.8\,\)%
\(\displaystyle 合格率=\frac{合格者数}{受験者数}=\frac{374}{457}\times 100≒81.83(%)\)
【\(\,2018\,\)年\(\,1\,\)月】
\(\color{purple}{\fbox{学科}}\)
受験者数:\(\,3,105\,\)人
合格者数:\(\,1,629\,\)人
合格率:\(\,52.5\,\)%
\(\displaystyle 合格率=\frac{合格者数}{受験者数}=\frac{1,629}{3,105}\times 100≒52.46(%)\)
\(\color{brown}{\fbox{実技}}\)
《テラー業務》
受験者数:\(\,2,116\,\)人
合格者数:\(\,1,195\,\)人
合格率:\(\,56.5\,\)%
\(\displaystyle 合格率=\frac{合格者数}{受験者数}=\frac{1,195}{2,116}\times 100≒56.47(%)\)
《金融商品コンサルティング業務》
受験者数:\(\,505\,\)人
合格者数:\(\,409\,\)人
合格率:\(\,80.99\,\)%
\(\displaystyle 合格率=\frac{合格者数}{受験者数}=\frac{409}{505}\times 100≒80.99(%)\)
【\(\,2017\,\)年\(\,5\,\)月】
\(\color{purple}{\fbox{学科}}\)
受験者数:\(\,2,541\,\)人
合格者数:\(\,1,191\,\)人
合格率:\(\,46.9\,\)%
\(\displaystyle 合格率=\frac{合格者数}{受験者数}=\frac{1,191}{2,541}\times 100≒46.87(%)\)
\(\color{brown}{\fbox{実技}}\)
《テラー業務》
受験者数:\(\,1,746\,\)人
合格者数:\(\,1,304\,\)人
合格率:\(\,74.7\,\)%
\(\displaystyle 合格率=\frac{合格者数}{受験者数}=\frac{1,304}{1,746}\times 100≒74.68(%)\)
《金融商品コンサルティング業務》
受験者数:\(\,385\,\)人
合格者数:\(\,314\,\)人
合格率:\(\,81.6\,\)%
\(\displaystyle 合格率=\frac{合格者数}{受験者数}=\frac{314}{385}\times 100≒81.55(%)\)
\(\large{\color{orange}{\fbox{2級}}}\)
【\(\,2018\,\)年\(\,5\,\)月】
\(\color{purple}{\fbox{学科}}\)
受験者数:\(\,1,966\,\)人
合格者数:\(\,687\,\)人
合格率:\(\,34.9\,\)%
\(\displaystyle 合格率=\frac{合格者数}{受験者数}=\frac{687}{1,966}\times 100≒34.94(%)\)
\(\color{brown}{\fbox{実技}}\)
受験者数:\(\,1,303\,\)人
合格者数:\(\,782\,\)人
合格率:\(\,60.0\,\)%
\(\displaystyle 合格率=\frac{合格者数}{受験者数}=\frac{782}{1,303}\times 100≒60.01(%)\)
【\(\,2018\,\)年\(\,1\,\)月】
\(\color{purple}{\fbox{学科}}\)
受験者数:\(\,2,099\,\)人
合格者数:\(\,436\,\)人
合格率:\(\,20.8\,\)%
\(\displaystyle 合格率=\frac{合格者数}{受験者数}=\frac{436}{2,099}\times 100≒20.77(%)\)
\(\color{brown}{\fbox{実技}}\)
受験者数:\(\,1,925\,\)人
合格者数:\(\,1,041\,\)人
合格率:\(\,54.1\,\)%
\(\displaystyle 合格率=\frac{合格者数}{受験者数}=\frac{1,041}{1,925}\times 100≒54.07(%)\)
【\(\,2017\,\)年\(\,5\,\)月】
\(\color{purple}{\fbox{学科}}\)
受験者数:\(\,1,744\,\)人
合格者数:\(\,592\,\)人
合格率:\(\,33.9\,\)%
\(\displaystyle 合格率=\frac{合格者数}{受験者数}=\frac{592}{1,744}\times 100≒33.94(%)\)
\(\color{brown}{\fbox{実技}}\)
受験者数:\(\,1,868\,\)人
合格者数:\(\,965\,\)人
合格率:\(\,51.7\,\)%
\(\displaystyle 合格率=\frac{合格者数}{受験者数}=\frac{965}{1,868}\times 100≒51.65(%)\)
\(\large{\color{red}{\fbox{1級}}}\)
【\(\,2018\,\)年\(\,9\,\)月】
\(\color{purple}{\fbox{学科}}\)
受験者数:\(\,416\,\)人
合格者数:\(\,54\,\)人
合格率:\(\,13.0\,\)%
\(\displaystyle 合格率=\frac{合格者数}{受験者数}=\frac{54}{416}\times 100≒12.98(%)\)
\(\color{brown}{\fbox{実技}}\)
受験者数:\(\,303\,\)人
合格者数:\(\,118\,\)人
合格率:\(\,38.9\,\)%
\(\displaystyle 合格率=\frac{合格者数}{受験者数}=\frac{118}{303}\times 100≒38.94(%)\)
【\(\,2017\,\)年\(\,9\,\)月】
\(\color{purple}{\fbox{学科}}\)
受験者数:\(\,432\,\)人
合格者数:\(\,68\,\)人
合格率:\(\,15.7\,\)%
\(\displaystyle 合格率=\frac{合格者数}{受験者数}=\frac{68}{432}\times 100≒15.74(%)\)
\(\color{brown}{\fbox{実技}}\)
受験者数:\(\,357\,\)人
合格者数:\(\,54\,\)人
合格率:\(\,15.1\,\)%
\(\displaystyle 合格率=\frac{合格者数}{受験者数}=\frac{54}{357}\times 100≒15.12(%)\)
【\(\,2016\,\)年\(\,9\,\)月】
\(\color{purple}{\fbox{学科}}\)
受験者数:\(\,297\,\)人
合格者数:\(\,32\,\)人
合格率:\(\,10.8\,\)%
\(\displaystyle 合格率=\frac{合格者数}{受験者数}=\frac{32}{297}\times 100≒10.77(%)\)
\(\color{brown}{\fbox{実技}}\)
受験者数:\(\,399\,\)人
合格者数:\(\,220\,\)人
合格率:\(\,55.1\,\)%
\(\displaystyle 合格率=\frac{合格者数}{受験者数}=\frac{220}{399}\times 100≒55.13(%)\)
\(\,3\,\)級の平均合格率は
・学科 \(\,50\,\)%前後で難易度は普通と言えます。
・実技《テラー業務 \(\,70\,\)%前後》難易度は比較的易しいと言えます。
・実技《金融商品コンサルティング業務 \(\,80\,\)%前後》難易度は低いです。
\(\,2\,\)級の平均合格率は
・学科 \(\,30\,\)%前後で難易度は高いと言えます。
・実技 \(\,55\,\)%前後で難易度は普通と言えます。
\(\,1\,\)級の平均合格率は
・学科 \(\,15\,\)%前後で難易度はとても高いと言えます。
・実技 \(\,40\,\)%前後で難易度はやや高いです。
主催・試験実施団体
名称:一般社団法人 金融財政事情研究会 検定センター
住所:東京都新宿区荒木町2-3
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