和裁検定試験は和裁、つまり和服の裁縫の知識や技術レベルを検定する試験です。
級によって求められる内容やレベルが違いますので、それぞれの試験内容と日程および合格率や難易度をお伝えします。
筆記と実技がありますが、実技は時間の制限もありますので技術的にも十分な練習が必要になります。
資格または検定試験名(正式名称と通称)
和裁検定試験:(通称)和裁検定(民間資格)
\(\large{\color{green}{\fbox{4級}}}\)
初歩的な実技と理論を修得しているひと。
\(\large{\color{magenta}{\fbox{3級}}}\)
基本的な実技と理論を修得している人。
\(\large{\color{orange}{\fbox{2級}}}\)
職業としての実技と理論を修得している人。
\(\large{\color{red}{\fbox{1級}}}\)
職業として更に高度の実技と理論全般について精通している人。
受験資格
\(\color{green}{\fbox{4級}}\) \(\color{magenta}{\fbox{3級}}\) \(\color{orange}{\fbox{2級}}\)
誰でも受験できます。
\(\color{red}{\fbox{1級}}\)
東商検定もしくは国家検定の \(2\) 級取得者であることが必要です。
試験内容と受験対策方法
試験内容
\(\color{green}{\fbox{4級}}\)
筆記と実技が行われます。
試験科目:
■筆記 \(20\) 分
【和裁の常識と裁断図解】
被服の種類に関する出題区分表の範囲から出題されます。
■実技 \(3\) 時間 \(30\) 分
【女子用浴衣】
ばちえり仕立て、寸法は指定されません。
当日用意するもの:
・裁縫用具一式 筆記用具
\(1.\) 裁断・へら付(しるし付け)
\(2.\) 右袖を縫っておきます。(両袖は会場でつけること)
\(3.\) 身頃はおくみ付け(すそも含む)まで仕上げておきます。
※事前に用意する部分はミシン縫製も可です。
\(\color{magenta}{\fbox{3級}}\)
実技と部分縫いと筆記が行われます。
試験科目:
■実技 \(5\) 時間 \(45\) 分
【女子用あわせ長着】
広えりで仕立て、寸法は指定されません。
材料は自由です。
■部分縫い \(30\) 分
被服の種類に関する出題区分表の範囲から出題されます。
■筆記 \(20\) 分
【職業としての和裁の常識と裁断図解】
被服の種類に関する出題区分表の範囲から出題されます。
当日の持ち物:
・裁縫用具一式 筆記用具
\(1.\) 裁断・へら付(しるし付け)
\(2.\) 両袖・表裏おくみ付けまで縫っておきます。
\(3.\) 裾を完成しておきます。
附属材料・三つえりしん
\(\color{orange}{\fbox{2級}}\)
実技と部分縫いと筆記が行われます。( \(2\) 日間)
\(1\) 日目-実技
\(2\) 日目-部分縫い・筆記
試験科目:
■実技 \(6\) 時間 \(30\) 分
【女子用あわせ長着】
広えりで別付け、寸法は指定されません。
材料はつむぎ以外の絹布(羽二重・りんず・ちりめん など)です。
■部分縫い \(3\) 時間
被服の種類に関する出題区分表の範囲から出題されます。
■筆記 \(50\) 分
【職業としての和裁の常識と裁断図解】
被服の種類に関する出題区分表の範囲から出題されます。
当日の持ち物:
・裁縫用具一式 筆記用具
\(1.\) 裁断・へら付(しるし付け)
\(2.\) 右袖を縫っておきます。
\(3.\) 表身頃はおくみ付けまで縫っておきます。
\(4.\) 裏身頃はすべて縫っておきます。(えり付けも含みます。)
\(5.\) 三つえりしんは表または裏に必ず付けることとします。
附属材料・すそしん
※鏝釜・鏝は各自持参です。
\(\color{red}{\fbox{1級}}\)
実技と部分縫いと筆記が行われます。( \(2\) 日間)
\(1\) 日目-部分縫い・筆記・実技
\(2\) 日目-実技
試験科目:
■実技 \(8\) 時間 \(30\) 分
【女子用あわせ長着】
広えりで別付け、寸法は指定されません。
材料はつむぎ以外の絹布(羽二重・りんず・ちりめん など)です。
■部分縫い \(3\) 時間
被服の種類に関する出題区分表の範囲から出題されます。
■筆記 \(50\) 分
【職業としての和裁の常識と裁断図解】
被服の種類に関する出題区分表の範囲から出題されます。
当日の持ち物:
・裁縫用具一式 筆記用具
\(1.\) 裁断:へら付(しるし付け)
すべての箇所についての幅のしるし付け(へら・チャコ・折り等)はしてきてはいけません。
附属材料・すそしん・三つえりしん
※鏝釜・鏝は各自持参です。
合格基準(各級共通):
●実技 \(70\) 点以上(100点満点)未完成の場合は不採点
●部分縫い \(70\) 点以上(100点満点)未完成の作品のみ不採点
●筆記 \(70\) 点以上(100点満点)
※平成 \(14\) 年度より、いずれかの科目が合格の場合は科目別合格となって、次回以降の受験は免除されます。
ただし、 \(4\) 級の科目免除はありません。
対策方法
専門学校・教室
通信講座
和裁を教える専門学校や教室で学ぶことが合格への一番の近道です。
日本和裁検定協会より、和裁検定合格に向けて和裁講習会が行われ、テキストや書籍が発行されています。
■和裁講習会
日本和裁検定協会では受験者( \(1\) 級 ~ \(3\) 級)を対象に毎年「和裁講習会」を実施しています。
和裁検定の試験内容に沿った、長着縫製・部分縫い・筆記と \(3\) つの試験科目をそれぞれ分けて受講することができます。
毎年 \(6\) 月末頃開催
日程や会場などの詳細は、日本和裁検定協会事務局へ確認してください。
日本和裁検定協会事務局
TEL:03-3816-1858
■和裁検定用問題集
■部分縫裁断図解集
部分縫裁断図や用尺を掲載しています。
試験頻度および日時や時期
\(\color{green}{\fbox{4級}}\) \(\color{magenta}{\fbox{3級}}\) \(\color{orange}{\fbox{2級}}\) \(\color{red}{\fbox{1級}}\)
年 \(1\) 回実施 \(9\) 月
試験地
\(\color{green}{\fbox{4級}}\) \(\color{magenta}{\fbox{3級}}\) \(\color{orange}{\fbox{2級}}\)
東京都 ・ 高松市
\(\color{red}{\fbox{1級}}\)
東京都
※受験会場は受験票で確認してください。
受験料
【全科目受験の場合】
\(\color{green}{\fbox{4級}}\) \(5,400\) 円
\(\color{magenta}{\fbox{3級}}\) \(10,800\) 円
\(\color{orange}{\fbox{2級}}\) \(14,040\) 円
\(\color{red}{\fbox{1級}}\) \(16,200\) 円
【 \(2\) 科目受験】
\(\color{magenta}{\fbox{3級}}\) \(8,640\) 円
\(\color{orange}{\fbox{2級}}\) \(11,880\) 円
\(\color{red}{\fbox{1級}}\) \(14,040\) 円
【 \(1\) 科目受験】
\(\color{magenta}{\fbox{3級}}\) \(6,480\) 円
\(\color{orange}{\fbox{2級}}\) \(8,640\) 円
\(\color{red}{\fbox{1級}}\) \(10,800\) 円
※職業能力開発促進法に基づき都道府県職業能力開発協会が行う和裁に関する \(1\) 級・ \(2\) 級の国家検定合格者は、所定の手続をすることで該当する級の実技が免除されます。
都道府県が実施する和裁の技能検定の情報です。
近年の合格率および難易度
\(\color{green}{\fbox{4級}}\) 約 \(75\) %前後
\(\color{magenta}{\fbox{3級}}\) 約 \(60\) %前後
\(\color{orange}{\fbox{2級}}\) 約 \(30\) %前後
\(\color{red}{\fbox{1級}}\) 約 \(40\) %前後
\(4\) 級の難易度は低く、 \(3\) 級は普通と言えます。
\(2\) 級の難易度は高いです。
仕事として和裁を行うには \(2\) 級以上、プロとして認められるには \(1\) 級の取得が必要と言われていることも納得できます。
\(1\) 級の合格率が \(2\) 級より高いのは、 \(1\) 級の試験を受ける人はすでに \(2\) 級資格を持っている人がほとんどだからです。
合格率約 \(30\) %前後の難易度の高い \(2\) 級を合格している人が、 \(1\) 級の試験を受けて合格率が \(40\) %前後ということなので、 \(1\) 級の難易度はかなり高いです。
主催・試験実施団体
名称:東京商工会議所 検定センタ―
住所:千代田区丸の内2-5-1 丸の内二丁目ビル
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