理容師免許を取得するには理容師養成施設へ入学し、理容師国家試験に合格して、理容師名簿への登録が必要です。
ここでは、美容師国家試験の受験資格や試験概要と気になる合格率や難易度についてお伝えします。
資格または検定試験名(正式名称と通称)
理容師(国家資格 業務独占)
理容師は、幅広い客層を相手とする息の長い職業と言えます。
理容室に訪れる大半のお客様は男性客で年齢層の広いことから、流行りの髪型から昔ながらの髪型までお客様の要望やその人に合ったカットが出来るだけの技術やどんな人とでも会話ができる能力が必要です。
受験資格
●平成\(\,10\,\)年\(\,4\,\)月\(\,1\,\)日以降 理容師養成施設に入学した人
理容師養成施設において、次の課程を修了した人
【昼間・夜間課程】 \(\,2\,\)年以上
【通信課程】 \(\,3\,\)年以上
●平成\(\,10\,\)年\(\,3\,\)月\(\,31\,\)日以前 理容師養成施設に入学した人
理容師養成施設において次の課程を修了した後、\(\,1\,\)年以上の実地習練を経た人
【昼間課程】 \(\,1\,\)年以上
【夜間課程】 \(\,1\,\)年\(\,4\,\)ヵ月以上
【通信課程】 \(\,2\,\)年以上
※平成\(\,14\,\)年\(\,3\,\)月\(\,31\,\)日までに\(\,1\,\)年以上の実地習練が終了していない人については、受験資格はありません。
理容師養成施設入学資格
原則的には高卒です。
しかし、中卒でも養成施設が行う入所試験に合格し、入学後に養成施設が実施する講習を受けることを要件に入学できる養成施設があります。
試験の一部免除
《前回の試験結果による一部免除》
前回の試験で実技試験および筆記試験の両方を受験し、いずれかに合格した人は申請により、次回の試験に限りその合格した試験が免除されます。
《美容師免許所持による筆記試験の一部免除》
美容師免許を取得している人は、申請により筆記試験のうち理容技術理論を除く科目が免除されます。
試験内容と受験対策方法
試験内容
試験は実技試験と筆記試験です。
●実技試験
実技試験では、カットの技術と合わせて「シェービング」の技術も求められます。
\(\,1.\,\)理容の基礎的技術
\(\,①\,\)カッティング(\(\,25\,\)分間)
基礎刈・仕上げ刈(\(\,20\,\)分間)
セニングカット(\(\,5\,\)分間)
\(\,②\,\)シェービングおよび顔面処置(\(\,15\,\)分間)
\(\,③\,\)整髪(\(\,5\,\)分間)
\(\,2.\,\)理容を行う場合の衛生上の取り扱い
用具類の衛生状態及び衛生上の取り扱い
合格基準:実技試験は「減点方式」です。
次の\(\,1.2.\,\)の両方の条件を満たしている場合に合格となります。
\(\,1.\,\)基礎的技術試験
減点が\(\,40\,\)点以下であること
\(\,2.\,\)衛生上の取り扱い
減点が\(\,20\,\)点以下であること
※実技試験で必要となる器具・用具は持参となります。
●筆記試験
筆記試験では理容師に必要な知識を問われます。
問題数:\(\,50\,\)問
出題範囲:
\(\,①\,\)関係法令・制度
\(\,②\,\)公衆衛生・環境衛生
\(\,③\,\)感染症
\(\,④\,\)衛生管理技術
\(\,⑤\,\)人体の構造及び機能
\(\,⑥\,\)皮膚科学
\(\,⑦\,\)理容の物理・化学
\(\,⑧\,\)理容理論
合格基準:次の両方の条件を満たしている場合に合格となります。
■\(\,50\,\)問中\(\,60\,\)%以上の正答率
■出題範囲の\(\,①~⑧\,\)全ての科目において無得点がないこと
対策方法
筆記試験は、美容師養成施設での授業をきちんと受け、過去問で対策しておけば筆記試験は十分に合格できる内容です。
実技試験に関しても、日頃から何度も反復練習をし、試験までにスピーディーで確実に、慌てずにできるようにしておきましょう。
特にシェービングおよび顔面処置については、他人の顔の髭剃りを回数を重ねていくと、力加減やコツを抑える事が出来ます。
親や友人に練習台になってもらうのが良いでしょう。
緊張しても普段通りに使用出来るように経験する事が重要なので、親や友人に練習台になってもらい、カミソリを手に馴染ませられるように、日々の努力を怠らないように学習や実技練習に励みましょう。
また、身だしなみは重要視されるので清潔感があるかどうか必ずチェックしてください。
用具においても同様です。
もしも用具を落としたり手を切ったりしてしまった場合、落ち着いて冷静に対応できるどうかが見られるので、試験の前にいろいろな場合をシミュレーションしておきましょう。
申込期間
\(\,5\,\)月・\(\,11\,\)月
試験頻度および日時や時期
年\(\,2\,\)回実施
\(\,1\,\)回目 【実技】\(\,8\,\)月 【筆記】\(\,9\,\)月
\(\,2\,\)回目 【実技】\(\,2\,\)月 【筆記】\(\,3\,\)月
試験会場
【実技】全国\(\,35\,\)都道府県
秋田・栃木・長野・岐阜・滋賀・和歌山・鳥取・徳島・長崎・大分・宮崎・沖縄が除かれます。
【筆記】全国各地 \(\,13\,\)都道府県
北海道・岩手・宮城・東京・石川・愛知
大阪・岡山・広島・愛媛・福岡・鹿児島・沖縄で行われます。
※試験会場は受験票で確認してください。
受験料
【実技・筆記】\(\,25,000\,\)円
【実技のみ】\(\,12,500\,\)円
【筆記のみ】\(\,12,500\,\)円
過去数年の平均合格率および難易度
●平成30年度
【2月・3月】
受験者数:1,156人
合格者数:923人
合格率:\(\,79.8\,\)%
【8月・9月】
受験者数:830人
合格者数:477人
合格率:\(\,57.5\,\)%
●平成29年度
【2月・3月】
受験者数:1,116人
合格者数:812人
合格率:\(\,72.8\,\)%
【8月・9月】
受験者数:836人
合格者数:526人
合格率:\(\,62.9\,\)%
●平成28年度
【2月・3月】
受験者数:1,261人
合格者数:947人
合格率:\(\,75.1\,\)%
【8月・9月】
受験者数:880人
合格者数:532人
合格率:\(\,60.5\,\)%
ほとんどの学生さんが、在学中の\(\,2\,\)月・\(\,3\,\)月の試験を受験し、不合格となってしまった場合には、翌年度の\(\,8\,\)月・\(\,9\,\)月の試験を受験されます。
過去数年の\(\,2\,\)月・\(\,3\,\)月の平均合格率は比較的高く\(\,75\,\)%前後です。
\(\,8\,\)月・\(\,9\,\)月の平均合格率は\(\,60\,\)%前後です。
今後も極端に下がることはないと考えられるので、日々の授業で真面目に学び、実技の反復練習を行っておけば、合格できる難易度といえます。
主催・試験実施団体
名称:公益財団法人 理容師美容師試験研修センター
住所:東京都江東区有明3-7-26 有明フロンティアビルB棟9F
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