ビオトープ管理士試験は、地域の自然生態系を守り取り戻すビオトープ事業や自然再生事業を効果的に推進するために、必要な知識・技術・評価・応用能力を認定する資格です。
ここでは、日程や受験資格などの試験概要と合格率や過去問題についてお伝えします。
また、ビオトープ管理士には計画管理士と施工管理士の2種類があります。

資格または検定試験名(正式名称と通称)

ビオトープ管理士(民間資格)

ビオトープ管理士試験は、地域の自然生態系を守り取り戻すビオトープ事業や自然再生事業を推進するために、必要な知識・技術・評価・応用能力を認定する資格で、
「計画管理士」と「施工管理士」の\(\,2\,\)種類があります。

 \(\large{\color{brown}{\fbox{ビオトープ計画管理士}}}\)

 \(\large{\color{magenta}{\fbox{2級}}}\) 基礎的な知識のある技術者のレベル

 \(\large{\color{orange}{\fbox{1級}}}\) 経験の豊富な事業の責任者のレベル

地域の自然生態系の保護・保全、復元、創出の理念や、野生生物等の調査技術を踏まえた、広域的な地域計画(都市計画、農村計画など)のプランナーです。

 \(\large{\color{blue}{\fbox{ビオトープ施工管理士}}}\)

 \(\large{\color{magenta}{\fbox{2級}}}\) 基礎的な知識のある技術者のレベル

 \(\large{\color{orange}{\fbox{1級}}}\) 経験の豊富な事業の責任者のレベル

地域の自然生態系の保護・保全、復元、創出の理念や、野生生物等の調査技術を踏まえた、設計・施工にあたる事業現場担当の技術者です。

ビオトープ管理士とは

ビオトープ管理士は、地域の自然生態を守る調査や研究などの活動や提案を行う自然事業の専門家で、自然の保全や再生を任すことが出来る技術者です。
豊富な知識や技術をもって、環境教育の指導者としての役割も期待されています。

また、環境省や国土交通省、農林水産省などの中央省庁、各地方自治体での業務入札条件や技術者の評価基準としても採用されています。

ビオトープ(BIOTOP)とは

【BIO】生きもの
【TOP】場所
ビオトープ(BIOTOP)は【BIO】生きもの、【TOP】場所から成る言葉(ドイツ語)で、地域の野生の生きものたちが生息・生育する空間を指しています。

受験資格

 \(\color{magenta}{\fbox{2級}}\)

誰でも受験できます。

 \(\color{orange}{\fbox{1級}}\)

次の7条件のうち、いずれか\(\,1\,\)つを満たしていることが必要です。

●\(\,4\,\)年制大学卒業後、通算で満\(\,7\,\)年以上の実務経験を持つ人
●大学院を卒業後、通算で満5年以上の実務経験を持つ人
●短期大学・専門学校・高等専門学校のいずれかを卒業後、通算で満\(\,9\,\)年以上の実務経験を持つ人
●高等学校卒業後、通算で満\(\,11\,\)年以上の実務経験を持つ人
●技術士(建設・農業・森林・水産・環境の\(\,5\,\)部門に限る)、\(\,1\,\)級土木施工管理技士、\(\,1\,\)級造園施工管理技士のいずれかの資格を取得後、通算で満\(\,4\,\)年以上の実務の経験年数を持つ人
●\(\,2\,\)級ビオトープ計画管理士、\(\,2\,\)級ビオトープ施工管理士、\(\,2\,\)級土木施工管理技士、\(\,2\,\)級造園施工管理技士のいずれかの資格を取得後、通算で満\(\,7\,\)年以上の実務の経験年数を持つ人
●上の学歴・資格によらない場合で、通算で満14年以上の実務の経験年数を持つ人

《実務の経験年数の内容》
・地域計画の事業(都市計画や農村計画など)における、基本構想の策定、計画、設計、研究、分析、評価の実務、およびそれらに関する指導・監督
・土木工事や造園の工事の、現場設計、施工、研究、分析、評価の実務、およびそれらに関する指導・監督
・野生生物の調査や環境改善など、自然環境の保護・保全、復元、創出に関する活動
・上の\(\,3\,\)点に関する、教育機関での継続的な指導
・上の\(\,3\,\)点に関する、環境NGOにおける継続的な活動
・国、都道府県および市町村の主催する、自然環境に関わる委員会の委員経験

※実務の経験年数の計算方法については、ビオトープ管理士公式HPで確認してください。

試験内容と受験対策方法

試験内容

 \(\large{\color{magenta}{\fbox{2級}}}\) 

\(\,2\,\)級はビオトープ計画管理士・ビオトープ施工管理士とも筆記試験(試験時間\(\,150\,\)分)のみです。

 ⇒ ビオトープ(計画管理士・施工管理士)2級の試験日程や内容および過去問題と合格率

ビオトープ管理士(計画管理士・施工管理士)\(\,2\,\)級の試験には\(\,3\,\)つ(通常受験、他部門受験、一部免除認定校の学生・卒業生の受験)の受験が存在します。
こちらで各々の受験によって異なる試験内容が確認できます。

 \(\color{brown}{\fbox{ビオトープ計画管理士}}\)

出題形式:択一問題
択一問題数:\(\,50\,\)問(共通科目\(\,30\,\)問・専門科目\(\,20\,\)問)
出題範囲:
【共通科目】
■生態学 \(\,10\,\)問
・生態系の構成要素
・機能
・生物と環境の間の相互作用等に関する事項
■ビオトープ論(\(\,10\,\)問)
・ビオトープの理念
・保護の考え方及び方法等に関する事項
■環境関連法(\(\,10\,\)問)
・自然環境及び野生生物の保護等に関する法制度(専門科目の範囲外)

【専門科目】
計画部門 \(\,20\,\)問
・都市計画や農村計画
・地域計画、
・国土全体の土地利用計画等において、特に自然生態系の保護・保全・ 復元・創出を目的とした場合の抗争・計画・設計等に関連する事項とそれらに関する法制度

小論文:ビオトープ管理士としての意志や信念を\(\,400\,\)字以内で解答(\(\,1\,\)問)

合格基準:
●択一問題  共通科目それぞれについて、また専門科目について正解率\(\,60\,\)%以上で合格です。
●小論文   「可」の評価を得ることで合格です。

 \(\color{blue}{\fbox{ビオトープ施工管理士}}\)

出題形式:択一問題
択一問題数:\(\,50\,\)問(共通科目\(\,30\,\)問・専門科目\(\,20\,\)問)
出題範囲:
【共通科目】
■生態学 \(\,10\,\)問
・生態系の構成要素
・機能
・生物と環境の間の相互作用等に関する事項
■ビオトープ論(\(\,10\,\)問)
・ビオトープの理念
・保護の考え方及び方法等に関する事項
■環境関連法(\(\,10\,\)問)
・自然環境及び野生生物の保護等に関する法制度(専門科目の範囲外)

【専門科目】
施工部門 \(\,20\,\)問
・河川や士水域・海岸・道路・農地・公園・里山・森林・庭等において、野生生物の生息空間を保護・保全・復元・創出する際の設計・施工全般に関する事項とそれらに関する法制度

小論文:ビオトープ管理士としての意志や信念を\(\,400\,\)字以内で解答(\(\,1\,\)問)

合格基準:
●択一問題  共通科目それぞれについて、また専門科目について正解率\(\,60\,\)%以上で合格です。
●小論文   「可」の評価を得ることで合格です。

 \(\large{\color{orange}{\fbox{1級}}}\)  

\(\,1\,\)級は筆記試験(試験時間\(\,300\,\)分)の合格者が口述試験(\(\,15\,\)分)を受けることになります。

 ⇒ ビオトープ(計画管理士・施工管理士)1級の受験資格や試験内容および過去問題と合格率

 \(\color{brown}{\fbox{ビオトープ計画管理士}}\)

出題形式:択一問題
択一問題数:\(\,50\,\)問(共通科目\(\,30\,\)問・専門科目\(\,20\,\)問)
出題範囲:
【共通科目】
■生態学 \(\,10\,\)問
・生態系の構成要素
・機能
・生物と環境の間の相互作用等に関する事項
■ビオトープ論(\(\,10\,\)問)
・ビオトープの理念
・保護の考え方及び方法等に関する事項
■環境関連法(\(\,10\,\)問)
・自然環境及び野生生物の保護等に関する法制度(専門科目の範囲外)

【専門科目】
計画部門 \(\,20\,\)問
・都市計画や農村計画
・地域計画、
・国土全体の土地利用計画等において、特に自然生態系の保護・保全・ 復元・創出を目的とした場合の抗争・計画・設計等に関連する事項とそれらに関する法制度

出題形式:記述問題(設問に対し対応する解答用紙に作文して解答)
記述問題数:\(\,4\,\)問

小論文:ビオトープ管理士としての意志や信念を1,200字以内で解答(1問)

合格基準:
●択一問題  共通科目それぞれについて、また専門科目について正解率\(\,60\,\)%以上で合格です。
●記述問題  A~Dの評価中、全問AまたはBの評価を得ることで合格です。
●小論文   「可」の評価を得ることで合格です。

《筆記試験の合格者のみ》
口述試験:試験官と受験者との面接形式で質疑応答

合格基準:試験官からの質問に対し、\(\,1\,\)級ビオトープ管理士に求められるレベルを持って適切かつ的確に答えられることで合格です。

 \(\color{blue}{\fbox{ビオトープ施工管理士}}\)

出題形式:択一問題
択一問題数:\(\,50\,\)問(共通科目\(\,30\,\)問・専門科目\(\,20\,\)問)
出題範囲:
【共通科目】
■生態学 \(\,10\,\)問
・生態系の構成要素
・機能
・生物と環境の間の相互作用等に関する事項
■ビオトープ論(\(\,10\,\)問)
・ビオトープの理念
・保護の考え方及び方法等に関する事項
■環境関連法(\(\,10\,\)問)
・自然環境及び野生生物の保護等に関する法制度(専門科目の範囲外)

【専門科目】
施工部門 \(\,20\,\)問
・河川や士水域・海岸・道路・農地・公園・里山・森林・庭等において、野生生物の生息空間を保護・保全・復元・創出する際の設計・施工全般に関する事項とそれらに関する法制度

出題形式:記述問題(設問に対し対応する解答用紙に作文して解答)
記述問題数:\(\,4\,\)問

小論文:ビオトープ管理士としての意志や信念を\(\,1,200\,\)字以内で解答(\(\,1\,\)問)

合格基準:
●択一問題  共通科目それぞれについて、また専門科目について正解率\(\,60\,\)%以上で合格です。
●記述問題  A~Dの評価中、全問AまたはBの評価を得ることで合格です。
●小論文   「可」の評価を得ることで合格です。

《筆記試験の合格者のみ》
口述試験:試験官と受験者との面接形式で質疑応答

合格基準:試験官からの質問に対し、\(\,1\,\)級ビオトープ管理士に求められるレベルを持って適切かつ的確に答えられることで合格です。

対策方法

テキスト・参考書での独学
セミナー

 \(\large{\color{black}{\fbox{公式テキスト}}}\)

ビオトープ管理士セミナーの公式テキストを参考書籍取扱協力店や最寄りの書店、またはwebで購入できます。

●【改訂版】ビオトープ管理士資格試験 公式テキスト 2級ビオトープ計画管理士・施工管理士対応(第3刷)
\(\,2\,\)級はもちろん、\(\,1\,\)級の基礎勉強にも重要な内容が詰まっています

 \(\large{\color{black}{\fbox{関連書籍}}}\)

また、主に\(\,2\,\)級で求められる基本的な知識や考え方を学ぶことができる書籍を 日本生態系協会より紹介しています。

●改訂版 ビオトープ管理士資格試験 公式テキスト ―2級ビオトープ計画管理士・施工管理士対応―
(生態学/ビオトープ論/環境関連法/計画部門/施工部門)
● 環境を守る最新知識(第2版)
(生態学/ビオトープ論/環境関連法/計画部門/小論文)
●トマトはなぜ赤い
(生態学)
●ビオトープの基礎知識
(ビオトープ論)
● 野生生物保全技術(第2版)
(計画部門/施工部門)
●都市の樹木433(ポケット図鑑)
(施工部門)
●ビオトープ再生技術入門
(施工部門)
●自然生態修復工学入門 ―荒廃した里山を蘇らせる―
(施工部門)

 \(\large{\color{black}{\fbox{セミナー}}}\)

ビオトープ管理士試験の傾向と対策「ビオトープ管理士セミナー」を開催しています。
セミナーでは、市販の「改訂版 公式テキスト」や特別に講義資料として、「過去問題」や「環境関連法」を使って択一問題\(\,5\,\)科目の要点を学ぶことができます。

※詳しい日程などは 日本生態系協会公式HPで確認してください。

 \(\large{\color{black}{\fbox{過去問題}}}\)

日本生態系協会の会員制度の一つ「エコネット会員(入会費・年会費無料)」に登録すると、過去問題を閲覧できます。

※日本生態系協会公式HPで確認してください。

試験頻度および日時や時期

 \(\color{magenta}{\fbox{2級}}\)  \(\color{orange}{\fbox{1級}}\)

\(\,9\,\)月 筆記試験

全ての部門(計画管理士・施工管理技士)

 \(\color{orange}{\fbox{1級 筆記試験の合格者のみ}}\)

\(\,12\,\)月 口述試験

試験会場

 \(\color{magenta}{\fbox{2級}}\)

札幌・盛岡・仙台・東京・新潟・長野・金沢
名古屋・広島・大阪・徳島・福岡・鹿児島・那覇

 \(\color{orange}{\fbox{1級}}\)

札幌・仙台・東京・新潟・長野
名古屋・広島・大阪・福岡・鹿児島・那覇

※試験会場は受験票またはビオトープ管理士公式HPで確認してください。

受験料

 \(\color{magenta}{\fbox{2級}}\) \(\,7,000\,\)円

 \(\color{orange}{\fbox{1級}}\) \(\,11,000\,\)円

\(\,1\,\)級筆記試験合格者の再受験の場合は\(\,5,000\,\)円となります。

過去数年の平均合格率および難易度

 \(\large{\color{magenta}{\fbox{2級}}}\) 約\(\,50\,\)% 難易度はやや高いといえます。
 
 \(\large{\color{orange}{\fbox{1級}}}\) 約\(\,32\,\)% 難易度は高いといえます。

主催・試験実施団体

名称:公益財団法人 日本生態系協会 ビオトープ管理士係
住所:東京都豊島区西池袋2-30-20 音羽ビル

 ⇒環境社会検定試験(eco検定)とは?試験概要と合格率および公式テキスト

環境の関連資格として、環境社会検定試験(eco検定)もチェックしてみましょう。

 ⇒ 自然環境・動物に関する資格一覧 気象,農業,植物,動物,省エネなどに注目

自然環境・動物に関する資格一覧になります。